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蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつとおっぱい

マリリン

 

子供の頃、父方の祖母の家に遊びに行った時に楽しみにしていたものがある。
それは祖母の家の近くにある蜂蜜屋さんで、父がよく買ってくれた可愛いらしいおやつ。
『はちみつぼんぼん三つ下さい。』
 父がお金と引き換えにお店の人から小さな玉ころを受け取ると、私と姉達に一つずつ持たせてくれた。
 随分昔の事だから色々とうろ覚えだが、『はちみつぼんぼん』と呼ばれたその玉ころは、スーパーボールの様な形状で、突起がヒョイっと一つあり、質感はゴム風船で、赤や黄のセロファンに包まれていたように記憶している。
 その突起の先端には針で刺した小さな穴が空いており、突起を口に含んだらその穴から中の蜂蜜をチュウチュウ吸い上げるのだ。
 それは赤ちゃんのおしゃぶりを彷彿とさせ、幼い私の口内にすんなり収まった。
 今思い返せば、母親のおっぱいをイメージして作られたのかもしれない。
 弾力のある丸いボール型の蜂蜜玉、突起部分、吸い上げると甘くてねっとりとした幸せが口いっぱいに広がる様や、前歯で軽く噛んだ時のあの感じも正に母親のそれである。

 昨今グミブームで、人気が出過ぎて売り切れ続出したグミまである。
それがフリマアプリで、定価の倍以上の高値で売られているというからまた驚きだ。
グミの歯応えは母親の乳首をイメージして作られたと聞いた事がある。
このストレス社会、そして禁煙活動が進む現在、人々は癒しを求めてグミを噛み締めているのだろうか。
私もグミは大好きで口寂しい時などよく食べているが、この食感のおやつの先駆けは『はちみつぼんぼん』である事を知っているし、決して忘れない。忘れてはいけない。
まあ、グミがいつ作られたのか知らんけど。

 

(完)

 

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