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蜂蜜エッセイ応募作品

はちたち さまざま

吉田昭雄

 

 蜂蜜好きな私は壜を見ると小学校時代を思い出す。今は亡き祖母が小学校から帰った私に、いつも出してくれたのは、暖かい牛乳にはちみつを入れた飲み物だ。鍋半分くらいに牛乳二本入れてくれた。毎日二本飲んで野球をやりに飛び出した記憶がある。祖母はいつも「蜂蜜は栄養があるからいっぱいたべやあ。」と言って来る日も来る日も出してくれたのだ。そんな私は今、朝食パンにはちみつを付けて食べている。その後銀行へ就職した私に蜂蜜先輩がいた。今は喫茶店を経営しがてら蜂蜜の箱を庭に置いて蜂取りをやっている。蜂が入ってきた時の喜びは格別と言って刺された足を見せながら笑う。そんな彼ももう70歳。いつまでも元気だいてほしいものだ。
 もう一つエピソードがある。私は寿司好きで、いつも同じ「初寿司」へ行っている。そこでよく出してくれたのは「蜂の子」のつまみ。これで一杯やるとたまらない。同じものばかり注文し、同じ日本酒ばかり飲んでいた。今は蜂の子で飲む人が少なくなったらしく、あまり置いてないが、それでもたまに置いてあるのは嬉しい。
 そういえば銀行の休みだった休日、5月5日に玄関の上に蜂の巣があったのを思い出す。若き日、チョンとつつくと出るわ出るわ蜂が。逃げても追いかけて来る。とうとう家の中にまではいって来たので、母とともに逃げ回ったことを思い出す。それから蜂の巣を見てもじっと我慢するようぬなった。ある日気が付くと落ちて玄関に転がっていた。一匹もいない。さてどこへ行ったのか。
 最近山登りに行けば、「鉢に注意」の看板を見る。怖い反面、先ほどの記憶を思い出す。少年時代から走馬灯のようにかけ走る思い出の数々。今ではこころの栄養だ。
 コロナ下で外出が減った。それでも鉢は無関係に庭を翔んでいる。鉢はコロナにならないのだろうか。
 さあ、今日も蜂蜜付きのパンを食べて元気な一日を過ごそう。

 

(完)

 

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