渡辺碧水
前の投稿「蜂蜜はおいしい家庭常備薬(一~七)」の中で、「蜂蜜を一匙舐(ひとさじな)める」という表現をしばしば使った。その補足をするのが本稿の目的である。
エッセイスト・前田京子さんの著書『ひとさじのはちみつ』『はちみつ日和』を紹介するものであったから、当然、前田さんの推奨法が主になる。(詳細は同書参照)
蜂蜜を摂る(内服する)方法は多種多様であるが、最も単純で直接的な摂り方でありながら効果的と考えられるのは、粘液状のそのものをスプーンで直に舐めることである。
その効果的な舐め方の要領(ポイント)を整理して、十箇条にまとめてみる。
(一)蜂蜜は、販売元の確かな天然純粋完熟で非加熱のものを選ぶ。高価だが、公的に最も信用できるものは、薬局で売られている第三類医薬品の「日本薬局方ハチミツ」。
(二)蜂蜜の種類は、一般的にはマルチな効能をもつ「百花蜜」、症状別には特に効果が高いと示めされる「単花蜜」を選ぶ。
(三)使う匙(スプーン)の材質は、木製又はステンレス製又はガラス製のもの(ステンレス製以外の金属製は蜂蜜の変質を招くので、使わないこと)。以降の基準「一匙分」とは、小形の計量スプーンで五ml(約七g)の分量を指す。
(四)日々、栄養補給・健康増進を目的とする場合は、就寝前と起床後に歯磨きを済ませた後で、一匙分をゆっくり飲み下す。
(五)疲労回復・体力保持を目的とする場合は(四)に加え、適宜、一匙分を足す。
(六)特に体力・気力を必要とする活動や集中的に頭を使う場合は(四)に加え、その活動等の前に、二~三匙分を一度に摂る。
(七)(六)の活動等を継続中に、その持久力を保持するために必要を感じたら適宜、一匙分ずつ足していく。
(八)喉の痛みのケアを目的とする場合は、一匙分の蜂蜜を口に含んだら、上を向いてゆっくり頭を回し、蜂蜜が患部にまんべんなく当たるようにしてゆっくり飲み込む。
(九)胃の痛みなどの改善や予防を目的とする場合は、起床後の空腹時に三匙分程度を飲み込み、横になりゆっくりゴロゴロと転がり、胃全体に塗り付ける。その後三十分程度は、他の飲食はしない。ソバ・栗や同類のものを蜜源とする単花蜜が効果的。
(十)特に胃のピロリ菌対策を目的とする場合は、朝と夜の空腹時、各一~三匙分、高グレードのマヌカハニーを舐める。
いずれにせよ、蜜蜂への感謝、実行の熱意など、心の持ちようも大切であろう。
(完)
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