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蜂蜜エッセイ応募作品

女王物質が蜂群を制する?(補)

渡辺碧水

 

 前回まで五回にわたり、女王蜂が出すフェロモン「女王物質」の役割などについて述べた。本稿はこれを補うものである。
 生産性の向上や効率を図るために、養蜂の方法や蜜蜂産品生産の工程においても、日進月歩の創意工夫の進化がみられるのだが、この話題の整理の過程で、一時的に女王蜂に代わって女王物質を放出するツールが人工的に造られていることを知った。
 素人の私には、もうそこまで進んだのかと、ちょっとした驚きだったので、関連して追加紹介しておきたい。
 「PSEUDO QUEEN(スードクイーン)」つまり「疑似女王」という製品が販売されている。見つけたのは輸入品。国産のものはまだ造られていないようだ。女王蜂の輸入もそうだが、外国での養蜂関連技術の開発・発展は著しい。
 その女王蜂フェロモン代替品は、数センチほどの棒状の細いプラスチック製担体に女王蜂の大顎腺のフェロモン(QMP)を染み込ませたという製品(担体とは、微生物を付着させるために用いる粒状または小片の材料のこと)。
 取り扱いは非常に簡便で、巣脾の中心部に固定するだけで、蜂群を効率的に統制し誘導するのに威力を発揮する。
 形は何の変哲もない棒状なので、女王蜂を姿や形で装うものではない。働き蜂がその担体を女王蜂とみなし、まるで生きているように接するというから、通常の蜜蜂の行動の一部も女王蜂フェロモン(匂いのようなもの)に左右されていることがわかる。
 販売代理店は、①俵養蜂場(神戸市東灘区)と②丸子農園(埼玉県川越市)。
 ①の取り扱い製品は、大顎腺QMP五種類を精密にブレンドした生化学的合成物(製造元は不詳)。
 用途は、蜂群の分割(分蜂)時の無王騒ぎの防止や、ハウス栽培授粉用使用時の女王蜂代替の一時的導入、幼い女王蜂の成熟過程での支援的役割、外勤働き蜂の短時間誘導・収容、無王状態輸送時の騒乱・蒸殺の防止など、期間限定の一時的導入に有効とされる。
 ②の取り扱い製品は、大顎腺QMP(種類数不明)でカナダのCONTECH社製。
 用途例は、肥大蜂群の分割(分蜂)や、無王群への一時的代替女王の導入、養蜂蜂場の移動時のはぐれ蜂の短時間集結、などの作業を行う際に有効とされる。
 ただ、いずれについても、実際の効果や使い勝手などの情報は未確認である。

 

(完)

 

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