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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

当たり前にあるけど、特別なもの。

笛路

 

 私の家には、昔から当たり前のようにはちみつの瓶があった。れんげはちみつのどデカい瓶だ。
 れんげはちみつは、ふわりと花の匂いがし、甘さが強めのはちみつで、食パンにたっぷりと塗ったり、コップ一杯の牛乳にはちみつを一匙入れたり、コーンフレークに垂らしたり。お菓子作りはもちろん、煮魚に使ったりもしていた。
 れんげはちみつは、とにかく何にでも合わせやすいはちみつ、というイメージだ。

 

 十九歳の頃、とある映画のロケ地を見たいと友人と盛り上がり、ニュージーランド旅行に行った時に転機は訪れた。
 観光の合間に連れて行かれたショップでマヌカハニーの説明を受けたのだ。
 それは今まで見てきた透き通った黄金色のはちみつとは全く違い、少し濁っており黒々としたはちみつだった。
 マヌカハニーは薬効がある、口内炎に効く、風邪のひき始めにスプーン一杯! など色々と店員さんにセールストークされた。
 味見をすると、マヌカという独特の薬に近いハーブのような匂いと甘さの中にある苦味が、十九歳の私の脳を殴り付けた。(と言ってしまうくらいに衝撃的な味だった)
 その何とも言い難い味が妙に気に入ってしまった私は、そこのショップで散財した。
 ホクホク顔の店員さんに「バニラアイスに掛けると食べやすいよ!」と言われたので心のメモ帳にバニラアイスと書いておいた。
 そして、日本に帰って直ぐに家族や友人にマヌカハニーを布教した。
 マヌカハニーは今でこそ有名で、色々な商品が出ているけれど、当時(二十年ほど前)は全くと言っていい程に見かけなかったと思う。
 だからだろう、お土産のマヌカハニーは皆で大切に大切に食べた。
 バニラアイスとマヌカハニーのコラボは……大変満足のいく味だった。
 店員さんグッジョブ!

 

 近年のスーパーなどで販売されているマヌカハニーはキャラメル色でとても綺麗だと思う。
 だけど、ニュージーランドで買った異様に高価で妙に黒々しかったマヌカハニー(記憶には無いけど、UMF値が大きかったんだと思う)、あの時のインパクトは何年経っても忘れられず、スーパーなどでマヌカハニーを見掛けるとついつい手に取ってしまう。
 そして、やはり散財してしまうのだ。「最近疲れてるから」とか言って。
 あの頃からなのだと思う。私の中ではちみつは、当たり前にあるけれど、ちょっとだけ特別なものになっていた。

 

(完)

 

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