朝霧 怜
「あのさ、蜂にも賃貸生活してんのがいるんだよ」
「なにそれ?どうゆうこと?」
「いや、いつものように畑に向かって走ってだのよ。そしたらなんか電柱に黒いかたまりがあってよ。止まって見だのよ。したっけ、蜜蜂だったのよ」
「んで?だから?」
「まだわかんね?」
「そんなんじゃ、わがんねよ」
「電柱ってさ、登るためになんか横に出っ張った棒付いてるべ。あれ下の方は穴なのよ」
「ってことは?」
「そっから入って、電柱の中は蜂の巣だらけだべ」
「それ、勿体ねえーなー」
「そっち?巣は誰にも壊されねえし、賢いよな」
「あったかいんじゃない?中、見でみでぇな」
「まず、永代無理だ」
「まあな」
「してな、匂いにつられで熊が来たんだど。そして蜂蜜探して電柱に登ったら、感電して死んだんだど」
「えっ!うそぉ。そいづはかわいそう」
「はは、それは嘘」
(完)
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