はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

蜂蜜エッセイ応募作品

北海道で越冬の養蜂(一)

渡辺 碧水

 

 二〇一二年四月上旬、全国の多くの新聞やテレビなどで「共同通信」四月四日配信の次の小記事が報道された。
 「越冬ミツバチ十六万匹飛び立つ/北海道美深町」
 北海道美深町で四日、レンガ倉庫の巣箱で越冬したミツバチ約十六万匹が、待ち焦がれた春を喜ぶかのように、勢いよく飛び立った。寒さが厳しい北海道での越冬はハチが死んでしまうリスクが高く、取り組む養蜂家は珍しいという。
 鹿児島県南九州市の移動養蜂家「西垂水養蜂園」が、トラックでレンガ倉庫から約二百の巣箱を屋外の作業場に運搬。巣箱の入り口を開けると、ハチたちが元気よく飛び出した。同園の西垂水栄太さん(二十六)は「質の良いハチが生き残ってくれて安心した。たくさん蜜を集めたい」と力を込めた。
 わかるようでわからない新聞の情況説明に戸惑い、同一と思われる動画発信のものを見てみた。次の内容の部分が省かれて記事にされたらしいと判明し納得した。
 移動養蜂家は日本各地を花の最盛期に合わせて旅しながら蜜を集めている。冬は暖かい本州などでハチを越冬させるのが一般的だが、同園はハチを運ぶ費用を抑えようと約十年前から道内での越冬に挑戦。失敗が続いたが、三年前から巣箱を比較的暖かいレンガ倉庫に保管することで成功率が高まった。巣箱は夏に作業場から町郊外の森林に移し本格的に採蜜を始める。
 「そういえば」と、かすかな記憶を頼りに調べてみると、西垂水栄太さんのことは昨年の新聞にも載っていた。これも共同通信の配信話題でいくつかの新聞に掲載された。東京新聞(二〇二〇年九月二十八日)の記事では「家族の旅先、決めるのはハチ/移動養蜂一家、季節ごと蜜を求め列島縦断」の見出しの下に、詳しくレポートされた。
 西垂水養蜂園と美深町との関係は五十年以上にも及ぶ。記事から関連情報の一部を飛び飛びの抜粋で少し紹介してみたい。
 一家は、例年は鹿児島県を四月に出発し、各地の拠点で採蜜し、花の最盛期に合わせて北上するのだが、新型コロナウイルス感染拡大もあり、昨年は、栄太さんら三人だけで約四百万匹の蜂を大型トラックに積んで直接美深町へ入った。
 蜂は暑さに弱く、風を送るために、ほぼ寝ないで二日以上かけ走り続けた。
 栄太さんには「美深の蜂蜜を牛乳や野菜に並ぶ北海道のブランド品にしたい」と、強い思い入れがある。
 【同タイトル(二)へ続く】

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.