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蜂蜜エッセイ応募作品

高校生の養蜂が教科書に載る(二)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(一)から続く】
 次に、数ある例の中から、市立札幌大通高校の「ミツバチプロジェクト」がなぜ選ばれて教科書に載ったのか、これまでの推移を探ってみたい。
 同校は、札幌市立の定時制高校四校を統廃合して作られた四年制の定時制高校で、十三年前の二〇〇八年四月に開校した。
 掲げる「教育目標」は「目標に向かって挑戦し、主体的に自己の生き方や進路について探究し、豊かな人間関係を築ける生徒を育てる」。
 一つの学校だが、午前部、午後部、夜間部の三部制で運営され、各一日四時間授業。学年による学習区分がない単位制なので、他部の授業も履修し、所定の単位数を修得すれば、三年間でも卒業できる。時間割は自分独自のものを作成する。
 用意された百を超える授業科目から自身の興味関心で選択し履修するが、中学校までの学習内容の学び直しも、教科書以外や校舎外での学びも可能である。
 基本的に自由でオープンな運営で、細かい校則も制服もチャイムもないし、校舎に土足のまま入れ、教員室等の壁も少ない。今、約千百人の生徒が学ぶ。
 校舎の隣接地には、北大植物園があり、二百メートル離れて大通公園が延びる。都心の中心部でありながら、緑の豊富な自然環境にある。
 さて、本題のミツバチプロジェクトだが、始まりは吉川副校長と島田教諭との雑談だったという。二〇一〇年に入り、五階建て新校舎の完成を機に「校内での勉強以外で何か学べることをさせたい。学校で蜜蜂を飼うことはできないか?」と。
 (この年の春に実現し話題になっていた、札幌市の都心ビル屋上に巣箱を置き養蜂するサッポロ・ミツバチ・プロジェクトの実践が刺激になったものと推測される)
 環境指標生物といわれ、環境に影響されやすい蜜蜂だが、恵まれた環境の下、養蜂の成功率は高いと判断され、「実現すれば面白いものになる」と真剣に考えられたそうだ。
 蜜蜂を学校で飼うことが決まり、同プロジェクトに取り組む準備を始めたのは十年前の二〇一一年。実践活動は翌年の二〇一二年の春から本格化した。
 校舎の屋上広場に養蜂箱が設置され、地域の支援者にも恵まれた。初年度にして、ピーク時は五万匹も飼育し、約二百キロもの蜂蜜の収穫があった。
 【同タイトル(三)へ続く】

 

(完)

 

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