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蜂蜜エッセイ応募作品

女王蜂がいないと蜂群はどうなる?(補)

渡辺 碧水

 

 「女王蜂がいないと蜂群はどうなる?」は三回のシリーズで終了とした。
 だが、横道に逸れるので、関連説明を省いたり避けたりした事柄もある。本稿は、その中の二つを、念のため補足・追加するものである。
 一つは、羽化後一週間以上経ち、性的に成熟した女王蜂が、別群の雄蜂と交尾のために空中飛行に出かける話に関連する。
 すべての処女女王蜂が交尾飛行に出かける前提で話を進めたが、何らかの理由でその飛行に行かなかった(行けなかった)場合も、秋ごろになって誕生した新女王蜂が交尾をしようにも相手になる雄蜂がいなかったという場合も、ないわけではないそうだ。
 その女王蜂はローヤルゼリーを食べ続けて産卵もするが、卵は無精卵ばかり。故に、雄蜂にしか孵化しない。これは「有王群」であっても、実情は「無王群」の「働き蜂産卵」と同じことになる。
 このままであれば、羽化して成虫になる蜂は働かない雄ばかり。やがて働き手が少なくなり、いなくなり、その蜂群(コロニー)は壊滅する運命をたどる。
 養蜂家の立場にあれば、女王蜂が交尾飛行に出かけたかどうか、そして無事に帰ってきたかどうかも、注意して見守り確認しなければならないのである。
 もう一つは、養蜂家のための女王蜂掌握法の技法に関する紹介である。
 プロの養蜂家は多くの巣箱を保有していて、情況に合わせて適宜、移動させながら採蜜を行う。各巣箱内の女王蜂の存在確認も、巣箱間の女王蜂の経歴の違いも、的確に把握するのは難しい。
 そこで、約束事を決めておけば、見分ける時、大変便利である。
 養蜂家は、女王蜂が安定すると、巣箱外に飛んで逃げてしまわないように、片翅を少しだけ切る(クリッピング)。
 そして、働き蜂とすぐに判別が付くように、背中に塗料等で色印を付ける(マーキング)。その色に意味を持たせた国際的な取り決めがあるので、容易に判断がつく。
 西暦を五で割り切れる年に育成された女王蜂には「青」、一余る年は「白」、二余る年は「黄」、三余る年は「赤」、四余る年は「緑」の色でマーキングする。
 マーキングされた色を見ると、その女王蜂の年齢が分かる。二〇二一年に生まれた女王蜂へのマーキングは、二〇二一を五で割ると一余るので白色。
 五年以上生存させる女王蜂はまずないので、この五色で間に合う。

 

(完)

 

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