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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜を犬や猫に与える(五)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(四)から続く】
 五、期待される薬効
 人類は昔から、食用として蜂蜜に抗菌、抗炎症、抗酸化などの作用や免疫力の上昇効果を期待して食べてきた。食用以外にも、傷への塗り薬、美容成分として利用してきた。
 特に、風邪の咳や口内の炎症に対して、手軽な民間療法として重宝してきた。
 こうした薬効は犬や猫の場合にもあると期待し、可愛い犬や猫に蜂蜜を与える飼い主も少なくないのではなかろうか。
 これまでも、抗炎症効果について注目されてきたが、明確な実証的研究は報告されておらず、個体差もあることから、あくまでも一時的な対症治療の補助に与えられるにとどまっているようだ。
 例えば、猫の口内炎の場合、口の中の広範囲に及ぶことが多く、強い痛みを生じるため、うまく餌を食べられなかったり、よだれを出したりすることがある。口内炎の発症には、歯周病による細菌感染、ビタミン不足による免疫力の低下などの原因が考えられる。
 蜂蜜には少量でも効果的なビタミンが含まれているので、口内炎の猫の口元に蜂蜜(マヌカハニーが最適)を少量塗りつけて与えると、不足したビタミンの補給や抗菌・抗炎症の作用をもたらす可能性は十分にあるといわれる。
 苦味で嫌がる薬を飲ませる際に蜂蜜を利用する方法もある。猫はベタベタしたものが顔や口に付いていると、なめて綺麗にしようとする習性がある。これを利用して粉薬などを蜂蜜に混ぜ、口の周り塗り、なめさせるのである。
 なお、人間では花粉症などのアレルギーに対し、症状を引き起こすヒスタミンの放出を蜂蜜に含まれるポリフェノールが抑えるとされているが、犬や猫のアレルギー療法に対する効果はよくわかっていない。
 したがって、アレルギー体質の個体に、蜂蜜を与える場合は、蜂蜜に含まれる自然由来の植物アレルゲンに注意して、与えた後の体調の変化をよく観察する必要がある。

 以上から、結論的にまとめれば、次のように言える。
蜂蜜は、犬や猫にとって、必ずしも必要な食べ物ではない。ビタミン補給などの効果を期待して与える場合は、与え方や投与量に注意しながら、少しずつ与えてみる。
 個体によっては嫌がることもある。無理強いする必要性はまったくない。

 

(完)

 

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