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蜂蜜エッセイ応募作品

「第三のみつ」に取り組む高校生(八)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(七)から続く】
 課題のトマトジュースのサラサラジュース開発はいったん棚上げにして、既にサラサラジュースになっている市販のトマトジュースを餌として蜂に与えた。
 だが、巣箱の中は三十℃前後になるため、やはり二、三日で発酵し、巣箱の中で固まり蜂が口のストローで吸い込むことができなくなる。そして、巣礎上でトマトジュースが固まり飴化したものは好んで食べる(なめる)ことが確認された。
 長瀞蜂場で試験し採蜜したトマトジュース蜜は、埼玉大学科学分析支援センターに依頼し、そこで研修を受けた生徒が成分分析を行った。前年よりも蜂蜜のリコピン量は増えていたが、転化率はまだ少なかった。ギャバの転化も確認された。
 埼玉県立秩父農工科学高校に新設置の最新鋭の成分分析器は、どうやら導入が予定よりも一年遅れ、二〇一九年度に入ってからだったらしい。
 埼玉県の高校ではこの一台だけという最新鋭のガスクログラフ、HPLC(高速液体クロマトグラフ)などが導入された。その糖分析器イオンクロマトグラフによって「第三のみつ」の詳細分析が行われたのは、二〇二〇年度になってからと思われる。
 ギャバなどのアミノ酸等を詳しく分析する技量が生徒に求められる。だが、同校には、機器を備えても指導者がいない。二〇二〇年十二月二十五日にも、生徒四人は、わざわざ日本薬科大学に出向き、教授陣から機器分析の研修を受けている。
 餌のジュースづくりの課題は、未だにトマトのジュース化の試行錯誤を繰り返している段階にある。
 蜂はジュースが固まり飴化したものは好んで食べる(なめる)ことや、リボピンはトマトの固形部分にしか含まれていないことがわかっているのなら、トマトの液(汁)状化は果たして必要なステップなのか、この見直しも課題の一つだろう。
 なお、三年目の二〇二〇年度に、同じ「課題研究」に取り組んだ生徒は四人。結果は、同年十二月二十六日開催の「(第三回)秩父サイエンスアカデミー、研究発表の部」で「『第三のみつ』の機能性成分の研究」と題して報告された。
 同校生徒は、彼らなりに頑張っている。年一回開催の研究の発表と討議の場「秩父サイエンスアカデミー」で、一年間の研究成果をまとめ、堂々と発表している。
 全力を傾注する高校生に「あっぱれ!」をあげたい。

 

(完)

 

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