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蜂蜜エッセイ応募作品

「第三のみつ」に取り組む高校生(七)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(六)から続く】
 蜜源となるトマトの餌づくりには、地元生産のトマトを使い、乳業会社の協力でホモジナイザー(不溶性物質を微粒化し、液中に均一に分散させて安定な懸濁液を作る装置)を使用した。トマトジュースの中にあるリコピンは水に溶けないので、ホモジナイザーによって微粒化を試みたのである。
 しかし、まだケチャプ状態なので、これを濾(こ)して蜂に与えた。濾したトマトジュースは、二、三日は流動性を保つが、その後は養蜂箱の中で固まり、蜂が口のストローで吸い込むことができない。
 サラサラなジュースづくりが課題として残った。また、西洋蜜蜂はトマトの花も好まないらしく訪花しないといわれている。味付けなどの工夫も課題である。
 長瀞蜂場で試験し採蜜し、埼玉大学科学分析支援センターに依頼し、そこで研修を受けた生徒が成分分析を行った結果、期待したよりも少ない量のリコピンだったが、蜂蜜に転化していた。
 この年、イチゴとブドウのジュースも準備していたが、蜂群の用意が八月となったので、トマトだけに集中した。
 二年目の二〇一九年度に、同じ「課題研究」に取り組んだ生徒は四人。結果は、同年十二月二十二日開催の「(第二回)秩父サイエンスアカデミー、研究発表の部」で「機能性に優れた『第三のみつ』の特産づくり」と題して報告された。
 前年から課題のトマトジュースのサラサラジュース開発と、イチゴやブドウのジュースの試験を進めるはずだった。また、校内に新設置される最新鋭の糖分析器を活かし、「第三のみつ」の詳細分析をする予定になっていた。
 だが、結果的には、前年度に引き続きトマトジュースに焦点を絞り、リコピンとギャバを多く含む機能性食品の第三のみつを製造し、その試作品の量を多く製造し、一般の試食ができるだけの量を確保する目標に修正された。
 そして、トマトジュースに含まれる化学薬品等による蜜蜂の生態への影響を観察し、蜜蜂への生命維持に問題がないかを検証し、大量生産が可能であるかを検証しようとした。
 【同タイトル(八)へ続く】

 

(完)

 

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