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蜂蜜エッセイ応募作品

「第三のみつ」に取り組む高校生(二)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(一)から続く】
 十五年も前の話だが、埼玉県立秩父農工科学高校は、NPO法人の要望を受け入れて関連事業に取り組み始めた。この時にいた齋藤俊男氏が窓口になり、以降ずっと同校に勤務している関係で、今もなお関わり続けている事情が明らかになった。
 次に明確になったのは、同校では「養蜂」を手掛けていない(養蜂の専門家も教師陣にいない?)という事実である。これまでは、蜜蜂を飼育していないのではないかと推測されたが、はっきりとそのことを確認する情報を得られていなかった。
 今回の放映の後半で、「同校は蜂を飼っていないので地域の協力が欠かせない」との解説があり、ここで登場したのが坂本裕三氏。同氏もまた長年、地元にある「NPO法人秩父百年の森」などに勤務し、一連の事業の初めから関わり、今日まで紆余曲折の中で東奔西走し、事業の継続に人一倍尽力を注いできた人である。
 番組の中では「秩父で養蜂を営む…」と紹介されたが、同法人のフェイスブックで「ついに坂本理事長は養蜂家にされてしまいました」とあり、同氏の専門は別らしい。
 どうやら同法人には蜂飼育部門があって、その関連蜂場が同校生徒の体験実習等の場となり、果実汁等を与える試験での養蜂部分の役割も引き受けて支援しているらしい。
 同校の生徒は、機能性を備えた野菜や果実の汁を創意工夫して蜜蜂に与える餌(蜜源)造りの役割と、蜂場で第三のみつ(機能性はちみつ)を生産してもらい、その蜜に含まれる機能性成分を計量的に分析する役割とを果たしているというわけである。
 カリキュラム上では、食品化学科の三年生の授業科目「課題研究」で、数人が一つの小グループを作り、研究テーマを決め、一年かけて取り組む。新しいテーマの設定もあれば、先輩の実績を引き継ぐ形の場合もあるようだ。
 外部からの期待も大きい注目の第三のみつ研究班は、ハードルの高い課題を克服しなければならないので、ひたすら試行錯誤を繰り返し、先輩から受け継ぎ、後輩に引き継ぐリレー方式にならざるを得ない。
 実に感心するのは、学校が授業の科目に位置づけて、一週間に関わる生徒の時間を一定にしている点。実験に費やす時間的精神的負担を適度にとどめ、けじめがつく。自主的に取り組んで、次年に引き継ぐ合理的な仕組みといえよう。
 【同タイトル(三)へ続く】

 

(完)

 

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