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蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつを飲むという苦行から味わいへ

田中おかゆ

 

 幼い頃、風邪を引いたときに、母が白湯にはちみつを溶かして、スプーンでわたしに飲ませてくれました。今では考えられませんが、これはわたしにとって子どもながらの戦いだったのです。甘いチョコレートや生クリームがたっぷりとのったケーキは大好きでした。しかしながら、はちみつとなると、息を大きく吸い、そのままスプーンを口に入れて一気にごっくん、苦行でしかありませんでした。のどにぴりぴりとくるんです。こののどへの刺激が、風邪を治すには良かったのでしょう。でも、本当に、本当にはちみつを飲むことが嫌で嫌でなりませんでした。濃厚な甘みが、温かい白湯と合わさって、全身が戦闘態勢になってしまうのでした。このはちみつを作っている男性の方がお亡くなりなったことをきっかけに、そのはちみつを飲むことはほとんど無くなったのですが、上等なはちみつだったそうです。
 母がわたしの風邪が早く良くなるようにと、たくさんの量を白湯に溶かしてくれていたんだと思います。
 今は、はちみつが大好き。かつて薬としか思っていなかったはちみつも、ヨーグルトにかけたり、お砂糖の代わりに煮物にも大活躍。
 はちみつがグルメだったなんて。
 会社の上司は高齢で、いつものど飴を舐めています。いつもちょっとした気持ちを、はちみつのギフトでお渡ししています。血糖値を気にして甘いものを控えているご年配の方にも、「はちみつは血糖値が上がりにくいですよ」と一言添えて、プレゼントしたりも。
 はちみつは薬でもあり、味わうものでもあるということに、また、相手の身体を気遣うには最高のギフトにもなると、しみじみ思います。

 

(完)

 

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