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ミツバチと共に90年――

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蜜芋

サンダース

 

 ハチミツで作る大学芋が好きだ。嫁いだ家には毎年大瓶でハチミツが2つ届いた。これは嫁いだ義姉の親戚から届くもので、国産ハチミツで高級品、うれしいんだが毎年のことなので使い道に正直困っていた。義母ももて余していたのだろう、もういくつもハチミツが棚に飾られていた。そんなことが数年続いたが、ある年からハチミツの待遇は一変した。町内子ども会の芋掘りで子どもが沢山のさつま芋を掘って持ち帰ってきた。何を作ろうかと思った時、ふと今では買って食べている大学芋を作ろうと思いたった。私が子どもの頃、よくおばあちゃんが作ってくれた。早速電話で作り方を聞いてみるが、蜜の作り方がめんどくさい。諦めてみたが芋が減るわけでもないからまた考えていると、ハチミツが目にはいった。そうだこんなにあるんだから使えばいい。正直失敗してもハチミツなら沢山あるしねと思い作り始めた。さつま芋を素揚げし、私特製の蜜に絡める。甘いお芋に甘じょっぱい蜜。大成功の美味しさ。何よりハチミツに醤油とゴマを入れて混ぜればいいだけのお手軽さが良い。家族にも大好評で、子どもが持ち帰ってきた芋だけでは足りず、その年はスーパーで何回も芋を買って作った。何せ蜜の材料は沢山あるのだから。しかし子どもが大きくなるにつれ、ハチミツは2つが1つになり、そのうちに1年おきになり、とうとう届かなくなった。何でも生産されてる親戚の方も歳をとり、作らなくなってしまったそうだ。初めは、沢山あって困っていたはずのハチミツも、こうなると貴重品になった。でもハチミツをけちると美味しい大学芋にならない。私達家族は、贅沢な蜜たっふの大学芋に味をしめてしまっているので、今さら質は落とせないのである。ならば作る回数を減らすしかないと、今ではハチミツを買ってきて作る。黄金色に光るトロトロのハチミツ。スプーンにたらし、蜜にする前のちょっとした味見は作る者の特権。そして豪快に蜜を作る。まさに蜜芋。なんとも至福の味がする。

 

(完)

 

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