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蜂蜜エッセイ応募作品

「りんご」の四蜜

渡辺 碧水

 

 新型コロナ禍の中、感染防止策で「三密を避けて」との呼びかけが繰り返しある。これにユーモアで対応するかのように、全国のあちらこちらで「三蜜スィーツ」の発売が話題になっている。
 私は、散歩という徘徊中にふと思った。果物の「りんご」には、少なくとも四蜜の様相があるのではないか、と。
(一)りんご(花)蜂蜜…蜜源がりんご樹の花である蜂蜜。色は濃めの黄色、りんご花の香りがほんのり残る爽やかな香り、りんごの甘酸っぱさのあるフルーティーな風味、加えて完熟りんご蜜を想わせる濃厚な甘みとコクも持ち合わせている。りんごの香りで鎮静作用やリラックス効果があるとか。
(二)りんご(汁)蜂蜜…蜜源がりんご果汁(ジュース)である蜂蜜。近年、新開発された注目の製品。「第三のみつ」の商標名で、伝統の「蜂蜜」と区別し販売されている。果汁や野菜汁を含めて、「機能性蜂蜜」の新分野開拓の研究が進行中である。
(三)りんご+蜂蜜(+アルファ)…風邪で熱があり、喉が痛く、食欲がないなどの時の簡単レシピ。風邪薬を飲む前の、胃に優しい食べ物としても有効。最も単純なレシピは、すりおろしりんご(半個)に蜂蜜(大匙一杯)をかけてすぐに食べるというもの。分量を変え、さらに一品加え、お湯を注ぐなど、工夫しだいで、レシピは無限大。
(四)蜜入りりんご…りんごを二つに切ると、芯の周辺が黄色く透きとおり、蜂蜜のような色合いをしている場合がある。この部分を「蜜」と呼ぶ。人工的に注射器で蜂蜜を入れたかのように見えるが、品種によって生じる自然現象。「蜜」の正体は、成長途中の「ソルビトール(甘味成分)」という物質で、りんごの旨味である果糖やショ糖の素になる。りんごが完熟している証で、ソルビトールが糖分に変化するのを終えて、水分を吸収し、細胞から溢れて蜜のように貯まった状態。完熟していることに加え、蜜の爽やかな甘みが増しており、食べる人の見た目の期待に応え、美味しさの満足を満たしてくれる。
 新型コロナウイルス緊急事態宣言の下、巣ごもり生活の孤独は、食べ物の空想をたくさん抱かせてくれる。

 

(完)

 

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