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ミツバチと共に90年――

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ハチとハチミツと私

融解海苔

 

 私は蜂蜜が好きだ。スプーンで掬うそれは琥珀のような透明感があり、トロリとした美しい食べ物。口の中で、濃厚かつしっとりとした甘味が広がる。砂糖とは全く異なる味わいである。
 しかし、そんな蜂蜜を作るハチに対して、以前の私は並 々ならぬ嫌悪感を持っていた。というのも、子供の頃に帰省した田舎の親戚の家で、大きなハチに追いかけ回された事があるからだ。
 幼い私にとって、不規則に飛び回り、耳を掠めてブォンという重低音を発する虫は恐怖以外の何者でもなく、ましてやそれが追いかけてくる等もってのほか。そんな事件があって以来、私はハチが嫌いになったのである。
 何のハチだったのかは覚えていないが、ミツバチだから平気だとか、クマバチは温厚な性格だから大丈夫なんて、当時の私は知る由もない。人間にしろ虫にしろ、第一印象が肝心というのは間違いではないと、心の底から思った。
 ところが、転機はある日突然訪れる。中学3年生のとある休日、私はYouTubeにてある動画を見つけた。それはとある養蜂家の方が、養蜂の実際の仕事内容を撮影した物だった。
 最初はあんなに沢山のハチに囲まれて大丈夫なのかと、見てて気持ちの良いものではなかった。しかし、遠心分離機にセットした巣版から流れ出る蜂蜜は、私がいつも美味しく食べていた蜂蜜そのものなのだと、動画を通して痛感させられた。
 それ以来、ハチに対する印象は想像以上に変化した。今でもハチが怖いのは変わらないけれど、そんな彼らが人間の美味しい食べ物を作っている事実は素晴らしい。そんな事を思いながら、私は今日も、食パンに蜂蜜を塗るのである。

 

(完)

 

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