琥珀
私が初めて身近に知った蜂蜜は大きい碧い缶入りだった。父の会社で共同購入した品らしく、蓋に缶切りで二か所穴を開け缶を傾けて片方の穴から流し出すというもの。
ほぼ透明で精製蜂蜜と書いてあった。味は良くすっきりとしていた。食パンに塗って食べていたものだ。
当時は今のように食品の種類が豊富ではなく食生活は質素だった。魚に肉に野菜、油揚げに卵等が御馳走だった。
その後暫くは蜂蜜に御無沙汰していたが、やがてハニーレモンという飲み物が流行り出し、洒落た味わいが受けていた。
以前に買った金柑を漬けた蜂蜜はとても美味しかった。オレンジがかった色で金柑、蜂蜜共に甘く爽やかでこくがあった。
その後にアマゾンを通じて買った中国製の蜂蜜は不味い上に添加物が気になり捨てた。
一時中国製は危険という状態があり、食品では特に気を付ける必要があった。毒入り餃子事件で、それも打ち止めの感があり今では一時期ほどには神経を尖らせていない。
その昔は中国製の冷凍食品でもカット和布でも美味しかった時期がある。だから何故こういうことになったのか疑問だった。
蜂蜜といえばホットケーキに塗って食べるのが主流だった。国産蜂蜜は高いが、中国製でも今はまず安心して買える。
旅先のホテルの朝食に、蜂の巣ごと蜂蜜が出てきた事がある。母は感激して売店で同じ物をお土産に買って帰った。
母はトーストに蜂蜜を塗って食べるのが好きで国産の物をあれこれ探していたが私が近くの農協で購入した可愛い丸い瓶入りの国産蜂蜜を美味しいと言っていた。
食文化に蜂蜜は大きな位置を占めている。お菓子や飲み物、化粧品や石鹸にも使われている。味と香り色が人を魅するのだろう。蜂蜜には夢とロマンを誘う何かがある。そしてクマのプーさんの好物でもある。
(完)
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