榎本 幸子
スープの冷めない距離というが、まさにその通り、道を隔てた隣の娘の家族が住んでいる。5月で4歳になる孫が毎日、「じいじ、こんにちわ」と大きな声でやってくる。庭で追いかけっこをしたり老夫婦も退屈知らずだ。お昼ご飯を一緒に食べることも多い。孫は焼き立てのパンに蜂蜜をつけて食べるのが大好きだ。透き通った綺麗な蜂蜜を瓶からスプーンで垂れないように小皿に入れる。ふっくらとした小さな手で、パンを器用にちぎって美味しそうに食べる。蜂蜜のお代わりもしばしばである。テーブルをは挟んで向き合っているじいじは、シワとシミそしてゴルフで日焼けした手で、これが健康法だと言いながら、ヨーグルトに蜂蜜をかける。紅茶に蜂蜜を入れて飲んでいる。何年か前に友人宅でご馳走になった紅茶が美味しかったので尋ねてみたら、特別の紅茶じゃないのよ。蜂蜜を入れるからかしらと?と言われ、それ以来いつも紅茶には蜂蜜である。甘党の私は、パンケーキにバターを塗り、たっぷりと蜂蜜をかけて食べる。至福のひとときなのだ。我が家の食卓にはいつも蜂蜜がある。
(完)
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