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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

チクッと一刺し

真帆風

 

 「翔太、ブーンって飛んできて、チクッて刺す虫なんだかわかる?」
 「わかるよ、蚊でしょ」
 「蚊もそうだけど、刺されると痛い虫は」
 「蜂だ!」
 「そう蜂ね。黄色い縞 々のお腹の先に付いている鋭い針で刺されると痛いわよね。大きな顎を持っている蜂もいるのよ」
 「お母さん、怖いよ」
 「あら、ごめんね。でも蜂の後に蜜をつなげてみて」
 「はちみつでしょ。あれ、全然怖くなくなったよ。ぼくはちみつ大好きだもん」
 「そうよね、蜂という名前の後に蜜をつなげると、怖かった虫が甘くてみんなの大好きな食べ物に変身するのよ、不思議でしょ。でもね、はちみつって言うけど蜂さんが自分だけで作っている訳ではないのよ、知ってた?」
 「えっ、どういうこと?」
 「はちみつはね、蜜蜂さんが遠くまで行ってたくさんの花の周りを飛び回って、花の蜜を少しずつ、少しずつ巣に集めたものなの。そんな大切なものを人間がありがとうって言って分けてもらっているのよ。だから蜜を集めてくれた蜜蜂さんに感謝して、はちみつって呼ばれているのよ」
 「そうなの、蜜蜂さんて偉いんだね」
 「そうなのよ、女王蜂がいっぱい卵を産むから、幼虫が食べるはちみつもたくさん必要になるの。だから働き蜂は自分の子供は生まないで、女王蜂のお手伝いだけをするのよ」
 「お父さんもお母さんのこと、女王蜂みたいだって言ってたよ」
「 えっ、お父さんそんなこと言ってたの? 自分は働き蜂のつもりなのかしら。雄蜂は子供を作るだけで他には何もしないみたいだから、お父さんはまさしく雄蜂よね」
 「お母さん、何のこと?」
 「何でもないのよ。あら、そろそろホットケーキ焼けたみたいね。お父さん今日も出掛けているから、全部食べちゃいましょう」
 「いいの、やったー、はちみついっぱいかけていい?」
 「もちろんよ、蜜蜂さんにありがとうって言ってから食べましょう」

 

(完)

 

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