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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂が生涯に集める蜂蜜(二)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(一)から続く】
 まず、田中氏の記述を中心に紹介するが、本稿では、他の人の記述も参考にして、該当範囲の幅を少し広げたものもある。
 頑張り屋さん蜜蜂の小さい体格から、説明は始まる。体長十二~十四ミリの西洋蜜蜂成虫一匹(学術的には一頭)の、メスの働き蜂の体重は約〇 ・〇九グラム。
 十一匹で約一円玉ぐらいの重さ。人間の体重を四十五キログラムと仮定すると、蜜蜂の体重は五十万分の一しかない。
 その蜜蜂の中の働き蜂は、毎日、太陽が昇ると巣箱を飛び出し、明るい間の夕方まで、蜜を求めて花から花へと、一生懸命に、かつ効率よく飛び回まわる。
 口吻(ストローのような口)で花内蜜腺から花蜜を吸い、その蜜を腹部の「蜜胃」(一時的に蜜を貯める袋)に集めて巣に持ち帰る。蜜胃に貯め得る量は約〇 ・〇四グラムで体重の四十五%に相当する。
 そんな重労働の花蜜集めを、巣箱と花畑の間を一日平均約十往復も行うというから驚きだ。一日の集蜜量は合計約〇 ・四グラム。
 一回の飛行で平均約三百の花(花内蜜腺)を訪れていると言われている。花から花への一日の訪問は合計約三千花となる。そう簡単に花蜜は集められない。
 往路の飛行は蜜胃がほぼ空の状態なので飛びやすいが、貯まるにつれて重くなる。後半は大変だ。蜜胃が満タンになったら巣に帰る。復路は重くて辛い。人間が約二十キロの物を抱えて走るに等しいとか。
 それを一日十往復も繰り返すのだから、想像しただけでも苛酷な労働とわかる。
 働き蜂の三十~四十日の生涯を前半(内勤期)と後半(外勤期)に大別すると、巣箱の外に出て花蜜や花粉を採集に行くのは後半の十五~二十日。それぐらいの日数なら……と思う人がいるかもしれないが、とんでもない。働き蜂の一生の約半分が花蜜集めの外勤労働期間なのである。
 ちなみに、働き蜂が花蜜を集めるために苦労しながら飛ぶ総距離を算定してみるとどうなるか。これは、巣箱から蜜源の花畑までの間の飛行距離の基準数値によって異なる。
 【同タイトル(三)へ続く】

 

(完)

 

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