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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチの教え

はせ鱗人

 

 山間地に暮らすこともあり、山の斜面などにミツバチの箱が置かれているのを度 々目にした。その箱からは、ミツバチが頻繁に出入りしており、子供心に花の蜜を吸いに行き、この箱に戻って蜜をつくると単純に考えていた。成人になり、養蜂農家に写真を取りに行く機会があった。真っ先に考えたことは、ミツバチに刺されないように撮影をしようであった。養蜂農家の方は、ミツバチがぎっしり並ぶ巣箱から蜂蜜を作るところを取り出して見せてくれた。蜂蜜と言うより、蜂を見せてくれたと言ったところであった。ミツバチは、攻撃してくるわけでなく、おとなしくその場にじっとしており、羽音が響き合っていた。その時、養蜂農家の人が、「痛っ」と声を発した。撮影の間、2回この声を聞いた。やはり、刺される痛さと隣り合わせで仕事をしているのだとつくづく感じた。一匹一匹のミツバチが花の蜜を吸い、固まりとなり蜂蜜を作るまでの工程がわかり、今更ながらに驚いた。それにしても、ミツバチ一匹一匹の小さな積み重ねが、家庭で食す蜂蜜になる。何と偉大な行為をミツバチはしているのだろうか。野山に咲く花 々は、蜂蜜を作るのに十分な花をこれからも咲かせることが出来るのだろうか。花が咲き、蜜を吸い、その蜜を一カ所に集め、私たちが食する。自然が守られてこそ、蜂蜜が豊富にできる。自然界の輪廻の中で行われている行為である。その偉大さを考えると、ディズニーのクマさんが手をなめている蜂蜜しか思い浮かばなかったが、もっと根本的に守っていくべきものがあるのではないか。守られた先に蜂蜜がある。何気なく食している蜂蜜であるが、作る過程を見た者には、大きな課題を投げかけてきた。ビン詰めの蜂蜜ラベルは、分かりやすくミツバチが描かれているが、もっと違う絵柄があるのではないか。いろいろと考えてしまう。

 

(完)

 

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