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蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつが教えてくれたこと

どらやき

 

 小さいとき、はちみつは魔法のおくすりでした。
 姉と喧嘩したり、母親に怒られたり、友達と喧嘩したり、風邪を引いたとき…涙と鼻水で人中が荒れると、はちみつを薬代わりに塗っていました。
 気持ちはへこんでいても、なぜかちょっとだけ幸せな気持ちになれた気がします。
 結局はちみつを舐めてしまい人中は荒れたままだったけれど、何度も塗っては舐めて親に注意されたことを思い出します。
 大人になった今、人中を荒らすほど泣くこともないし、風邪も滅多にひかなくなりました。はちみつだけを食べることもほとんどありません。
 今は誰かと喧嘩したり、怒られたり、嫌なことがあったときは、お酒を飲んだり誰かに話して解決しています。
 コロナというウイルスが蔓延してから、ストレスの発散方法がわからなくなりました。人と会う機会が減り、愚痴や嫌なことを簡単に外に吐き出せなくなりました。
 日 々の小さなことから、漠然とした不安までゆっくりと心にたまっていくのがわかります。
 気持ちが落ちこむ日が多くなりました。世の中の人たちも同じでしょうか。
 ひとりのとき、大きな声で泣きました。長い間、泣きました。人中が荒れてしまったので、久しぶりにはちみつを塗りました。唇についたそれはとても甘くて、昔と変わらない味でした。
 こんな時だからこそ、小さな幸せを積み重ねて前に進んでいかなければとそのとき思いました。いつでも、どんなときも、はちみつは魔法のおくすり。小さな幸せがあることを忘れずに、勇気をもって毎日生きていこうと思います。

 

(完)

 

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