河田豊子
母のことをいつのころかばあちゃんと呼ぶようになってしまった。早くも幼稚園児のころから私のことをお母さん、と呼んでいる娘の手前、お母ちゃんなどと呼べなかった、というのがどうも理由のようである。
ばあちゃんはこの3月で100歳になる。一度も入院したことがなく、けがもしたことがなく、自分のことは今も布団の上げ下ろしから洗濯まですべてこなしている。私の周りのものは口をそろえて「子供孝行なお母さんだね」と言う。
「元気、長生きの秘訣は?」
と人に聞かれようものなら「これかねぇ」と持ち出すものがある。ここ数十年も続けているというロイヤルジェリーのカプセルだ。毎日、毎日、欠かさず飲んでいるという。
「おかげでここ何年も風邪一つひいてないよ」
とも続ける。
そんなに良いものなら、とばあちゃんちに行くたびにロイヤルジェリーをばあちゃんからもらい受けて飲んでいた娘が自分も取り寄せ始めた。
もうすぐ3月、いよいよばあちゃんの誕生日がやってくる。大きなお祝いにしなくちゃ!このコロナ禍の中の私にとっては大きな楽しみである。
(完)
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