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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

私と祖父と蜂蜜と

りんごちゃん

 

 蜂蜜。それは、今は亡き祖父との思い出の品だ。
 
 「うわっ、またできてるよ。」私は鏡に映る自分の顔を見て、がっかりする。ニキビがまた1つ増えた。小学生までは陶器のようなツヤ肌だったのに。ニキビの原因は何だろうか。遺伝的な体質?甘いものをよく食べるようになったから?いつ治るのかな?もし治らなかったら…?などと考えながら、肩を落として洗面所から出ると、祖父が「元気なさそうだね。」と私の顔を見るなり言った。思春期特有のニキビの悩みを話して祖父は理解できるのか、話しても無駄じゃないかなと少し悩んだが、あまりにも不安そうに見つめるから、打ち明けることにした。すると、祖父は「そうか、そうか」と言って、「白砂糖の入ったおやつはやめて、蜂蜜を食べな。」といった。
 私は、クッキーやチョコが食べたくなったら、蜂蜜を食べることにした。「美味しいのかな。」と疑心暗鬼ながら、口に蜂蜜を運んだ。
 「うんまいっ!」思わず、私は叫んだ。優しい甘さが口いっぱいに広がり、私を包み込んだ。小さい頃、母親にギュッと抱きしめてもらったような愛を感じる味。大げさだって家族には笑われたけど、私には本当にそんな風に感じた。言わずもがな、私は蜂蜜の虜になった。お菓子を欲したら、蜂蜜を食べた。私があんまりにも美味しそうに蜂蜜を食べるから、母親もお菓子をやめて、蜂蜜を食べ始めた。
 
 蜂蜜を食べ始めてから、約1か月。鏡をのぞくと、ニキビがなくなり、ツヤ肌に。友達にも「肌キレイになったね!」と褒められた。
さらに、思わぬ副産物があった。微動だにしなかった母の体重が3キロも減ったのだ。
 祖父に伝えると、祖父は嬉しそうに真っ白な歯を出しながら「蜂蜜ってすごいだろ。」と笑った。蜂蜜仲間が増えて幸せそうだった。
 
 この出来事を機に、蜂蜜は我が家の定番になった。もし将来、私に子供ができ、ニキビや体重で悩んでいたら、蜂蜜を進めようと思う。そう伝えたら、祖父は嬉しそうに笑うかな、なんて考えながら、今日も私は蜂蜜を食べる。

 

(完)

 

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