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蜂蜜エッセイ応募作品

琥珀色の癒し

佐藤 真

 

 「今日はどうされましたか?」いつもこの言い回しで外来は始まる。様 々な症状や悩みを抱えて勇気を出して受診される方もいるがほとんどは軽症で終わることが多い。
 「コロナのことが心配かもしれませんが、今のところその心配はいらないと思います」安心してもらうように努めて穏やかに話すようにする。昨年以降風邪症状での外来受診は大きく変わってしまった。以前のようにすぐに病院を受診するのではなく保健所に相談したり、前もって電話相談をしてもらってから受診を促す。問診もスムーズにいくことが多い。患者さんの健康意識が変わったのか、コロナウイルスへの恐怖心がそうさせているのかまだ今のところはわからない。
 「のどが痛いのですね、診てみましょう」飛沫を浴びないように注意しながらも詳細に咽頭所見を確認する ・ ・ ・化膿性の変化はない、リンパ濾胞も認めない。うん大丈夫、大丈夫。「のどの炎症は弱く、細菌感染もなさそうです。抗生物質はいらないですが喉の痛みはもう少し続くと思います。」少しだけ患者さんの貌が曇る。そんな時は経験的にいつもこう説明している。「喉の粘膜を修復するお薬は殆どないのですが、古くからの智慧で喉に効果があるものがわかっています」目を丸くしてこちらを見る。「蜂蜜ですよ、痛みを感じるときに大きめのスプーン一杯分ゆっくり飲み込んで下さいね」これは民間療法ではなくエビデンスがあるものだ。それ以上にあの柔らかな琥珀色の光を見るだけで喉によさそうな気がするのだろう、患者さんも膝を乗り出して耳を傾ける。「手に入るならばマヌカハニーがいいです。私も常備しています。それが難しければ国産の蜂蜜にしましょう」
 おばあちゃんの知恵、ではないが世界中でも蜂蜜の効果は知れ渡っている。時代を超えても人間は自然の一部だからあの嫋やかな琥珀色の光を眺めてみるだけでも人は癒しの力を感じるものかもしれない。

 

(完)

 

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