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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜とインコ

久生

 

 我が家には年老いた小桜インコがいる。体重が重く少し飛ぶと苦しそうに息切れをする。飛んで移動するより歩いて移動する方が多くなった昨今である。そのインコの体調が優れないので、小鳥専門の動物病院に連れて行くと、成人病ですねと医者は言う。餌を見せるとひまわりの種をさして、これを食べさせないでくださいと言う。ひまわりの種はカロリーが高いから、老鳥にはきついですよ、ご飯に油かけて食べているようなものですよと言う。これでインコの好きなひまわりの種が餌の中から抜かれることになり、手元にひまわりの種が残った。生ゴミとして捨てるのも何だかなあと思って、試しに畑の一画に蒔いてみた。期待してなかったのに、芽を出し、どんどん育つ。大きいものもあれば小さいものもある。どうも同じ種類の種ではなかったようだ。けっこう立派なひまわり畑になった。華やかな黄色が随分と目を楽しませてくれる。
 蜜蜂がやってくるようになった。小型の黒っぽいのと少し大きい黄色ぽいのがやってきて、喧嘩するでもなく、それぞれ動き回っている。蜜を集めたり、花粉を集めたり、結構忙しそうだ。一日中、次から次へとやってくる。このあたりに養蜂家がいるのかなあと思いもするが、ひょっとしたら自然の巣から来ていたりしてと考えると楽しい。
 蜜蜂は蜜を持ち帰り食料とする。人間のために働いているわけではない。蜜蜂の上前をはねておいしくいただいている。ごめん、そして感謝。私の手元にはいくつかの蜂蜜の瓶がある。それぞれ色が違う、味も違う。花の種類、環境によるものという。自然由来ということでうれしい。
 我が家のひまわりの蜜はどうなったんだろうかと考える。今頃、誰かにおいしく食べられていると想像すると楽しい。インコの成人病でひまわりの種が不要になり、種は花を咲かせ、蜜蜂が蜜をとり、養蜂家が蜂蜜を作る。そしてそれを人が食べる。楽しいなあ。

 

(完)

 

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