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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜と饅頭

あきのもみじ

 

 実家にはいつも大きな瓶入り蜂蜜があった。子供の頃の思い出はいつまでも記憶に残り、その生活した場所にあった物に再び出会うと、とても懐かしくて嬉しい感情が湧いてくる。
 毎日のように使っていても、瓶の蜂蜜は残り4分の1にもなれば白い結晶となり、じゃりじゃりする食感も嫌いではなかった。
 朝食に食べていた饅頭に必ず蜂蜜をつけていた。饅頭と言えば、あんこが入った皮の薄い温泉饅頭のようなイメージが強いけれど、私が育った地域では、先祖代々受け継がれた米麹を発酵させて作る蒸しパンのようなものが、どの家庭でも作られていた。売られることなく、各家庭で作られる直径一〇cm程のふんわりした饅頭。膨らみ具合は気温や湿度に左右されると聞かされていた。良く出来た饅頭はお裾分け用なので、膨らみすぎて萎んだり、形が流れて平たいものが私の朝食となっていた。その饅頭を一口大にちぎり、小皿に入れた蜂蜜をたっぷりつけて口に運んだ思い出。大人になり、地元を離れても時々思い出す祖母の味。小皿の蜂蜜が残ったら、ホットミルクに混ぜて飲むのが大好きだった。
 今では万年ダイエットで、蜂蜜の無い生活になってしまっていた。しかし、蜂蜜は砂糖の一・三倍甘味が強く、低カロリー、砂糖よりGI値が低いと…良いとこばかりの蜂蜜様である。大好きなマンガ本の古代エジプト時代には、蜂蜜が唯一の甘味で高貴な身分の人しか味わうことができなかったと書かれていた。紀元前からある蜂蜜だけど、手軽に食べることができる時代に生まれて良かった。
 目を閉じると、蜂蜜の瓶と饅頭がこたつの上に置かれている。「スプーンは新しいのを使ってよ。一回舐めたスプーンは瓶に入れないで。」と母の声も聞こえてくる。

 

(完)

 

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