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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜と紅茶

那奈

 

 熱 々のお湯をカップにそそぐ。ティーパックを入れて、少し待つ。
 よし、と、ゆっくりと、蜂蜜をたっぷり注ぐ。
 金色の包み紙の小さなチョコレートが3つ。ティーパックは桜をかたどった小皿にのせる。
 お仕事が休みの日に、洗濯、買い物を済ませたあと、ソファーに腰かけて、蜂蜜たっぷりの紅茶を飲むのが私はとても好き。
 静寂という言葉がぴったり。
 そういえば静寂という言葉は、なぜ静かの「静」と寂しいの「寂」でできているのだろう。
 私は寂しい気持ちを感じているわけではないのに、静寂という言葉が思い浮かんだのはどうしてだろう。
 私のなかの記憶を巡らせて、まだ名付けられていない記憶のふわふわとした重なりあいのなかで、こんなことを思いついた。
 「寂しさ」は、自分が1人だと感じたときの感情の名前でもあるけれど、ほかにもこれとは異なるニュアンスを持っている。
 それは、過ぎていくことの寂しさ。
 過ぎていくこと自体に、寂しさを常に感じている人はあまりいないのではないかと思う。
 だけど、時間が過ぎていく、過去 ・現在 ・未来という掴めない一瞬を生きている私たちは、人生の”はかなさ”と”ままならなさ”を、静寂のなか思い出すのかもしれない。
 蜂蜜の甘い味と紅茶の苦味を感じながら、普段考えないことに思い耽るこの時間が、私は大好き。

 

(完)

 

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