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私が選んだ“はちみつ”。

なべとも

 

 食パンにつけるのは、あんこかはちみつか。
 当時小学生だった私が真っ先に選んだのは、はちみつ。
 
 製餡の仕事をしていた父は、たまに残ったあんこを持ち帰ることがあった。
 そのあんこをこどもの私が喜ぶと期待していたようだが、当時の私ははちみつが大好きでよく母にねだってパンやヨーグルトにはちみつをつけて食べていた。
 もちろん父が作ったあんこもおいしかったが、こどもにはあんこが黒い色で少し味が重く感じた。はちみつはその点、黄金色をしていてスプーンで一口すくうとなめらかで、キラキラ光っているように見えいつまでもなめていたいと思うほどの甘さだった。
 
 そんな私の様子を父はじっと見て、「お前はまだあんこのおいしさはわからないなぁ。でも父さんもはちみつが好きだよ」と笑っていた。
 
 その後、成長するにつれて私ははちみつをつけて食べることがなくなったが、20代後半から本格的なパン作りすることになり復活した。パン生地に練り込む砂糖の代わりにはちみつを練り込んで焼くことにしたのだ。はちみつは液体で生地に馴染みやすくてコクがあり、パンとの相性が良かった。
 
 そして、パン作りが一旦終了した今は普段の食事作りで煮物などに隠し味としてはちみつを入れている。
 
 このようにこどもの頃から現在まで長いつき合いのはちみつ。時代によって用途は変化しているが、今も黄金色の瓶を見ると心がときめき、瓶を開ける瞬間がたまらない。さあ、今日も瓶からとっておきのはちみつを取り出そう。

 

(完)

 

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