桜木伸一
蜂蜜レモンのような飲み物からハニートースト、そして、料理の隠し味としても、蜂蜜は親しまれている。そして、食べるだけではなく、傷薬としても使われている。
私は、蜂蜜と言えば、パンケーキを思い出す。最近は、生クリームやバニラアイスをトッピングしているが、パンケーキと言えば、蜂蜜。蜂蜜と言えば、パンケーキだ。
子供の頃、母にパンケーキを焼いてもらった時、パンケーキが溺れそうな程、蜂蜜を掛けた覚えがある。パンケーキを食べているのか、蜂蜜を食べているのか分からない程。そんなパンケーキの思い出は、今も忘れられない、大切な母との思い出の一つになっている。
口の周りはもちろん、手にもたっぷりと蜂蜜が付き、パンケーキが食べ終わった後も、手を舐めていた。それを見た母が、「プーさんみたいね。」と笑っていた。
小麦色に焼き上がったスポンジに、蜂蜜を流す。すると、パンケーキは、黄金色へと変色し、バターとともに生地へと染み込む。蜂蜜が流れる中、ナイフを入れると、ナイフを追い掛けるように、蜂蜜がスポンジとスポンジの間を流れて行く。
漂う豊潤な蜂蜜の香りは、蜜蜂がどんな花から集めたのかによって、それぞれ匂いや味も異なる。花の種類だけではない。場所によっても違う。
しかし、海外と比べると、日本の方が美味しく感じるのは、蜜蜂も日本の方が勤勉だからだろうか。
蜜蜂にしか、作り出せない蜂蜜。古代エジプトに始まり、日本でも日本書紀に、その記述を見ることが出来る。人は自然の恵みを、蜜蜂を介して、享受して来た。その自然の恵みをいつまでも享受するために、もう一度、自然の大切さを考える時が来ているのではないだろうか。
(完)
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