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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

うさぎ

ななみ

 

 蜂蜜さんには小さな頃からとてもお世話になっている。
 無糖ヨーグルトにかける蜂蜜が昔から好きだ。喉が痛くなった時には眠る前スプーンに蜂蜜をとろんと落としてそれを喉に流す。不思議と次の日には喉の痛みがなくなっていた。
 甘くて優しい蜂蜜はいつも私の味方だった。
 兄にとっても、そうであった。兄はいつもこっそりキッチンに行ったかと思えば蜂蜜のチューブを逆さにして舌に蜂蜜をとろーーーーんと流し込んでいた。とろんではなくとろーーーーん。かなり罪深いことをしている。しかしそれが彼の癒しとなっていたならば蜂蜜はやっぱりみんなの味方だったのかもしれない。
 母にとっても、そうであった。母は夜バニラアイスに蜂蜜をかけて食べるのが毎日の習慣だ。いつも嬉しそうな顔をして蜂蜜をとろーーんと垂らしている。やはりその瞬間は一日の疲れを癒す至福のひと時なのかもしれない。
 父にとっては、蜂蜜は気合いであった。朝のコーヒーに蜂蜜をとろっと入れる。それを飲んでから必ず仕事へ出かけるのだ。
 いったい蜂の手作りスープがこんなにキラキラした宝石のようなものだと誰が最初に気づいたのだろう。
 私は蜂蜜を発見してくれた人に感謝状を送りたい。
 「こはく」
これは私の飼っているうさぎの名前だ。蜂蜜色で琥珀色。甘くて優しくて、とても綺麗な色で、それもまた私に最高の癒しをくれる大事な存在、私の味方だった。

 

(完)

 

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