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蜂蜜エッセイ応募作品

ハチミツ嫌いだった僕が、ハチミツうまい!と感じたエピソード

モリソン

 

 子供のころ、蜂蜜が嫌いだった。
 あの香りとねっとりした感触、後味がどうも受け付けられなかったのだ。
 実家ではよくヨーグルトに蜂蜜かジャムを入れて食べる習慣があったが、僕はいつもジャムを選んでいたほどだ。
 ある日、おやつのホットケーキを食べる時に、母親が買ってきた蜂蜜をバターの上からかけてしまった。それまでホットケーキにはチョコレートや生クリームをかけていたので、この時の食欲は大変失せたはずだ。
 それでも恐る恐る口にしてみると、蜂蜜のドロっとした甘さと、バターのクリーミーな味わいが見事に調和しているではないか。
 
 それ以来、僕は蜂蜜が食べられるようになった。
 ヨーグルトに入れるのは相変わらず駄目だったが、ホットケーキの相方はバターと蜂蜜しか考えられなくなった。
 蜂蜜の香りと甘さは、ヨーグルトのような酸味よりも、バターやクリームのようなこってりとした味と組み合わせたほうが、個人的に相性が良いと感じた。同じ乳製品といえども、である。
 
 苦手な食べ物を克服するのは難しいかもしれないが、このように食べ合わせによって案外食わず嫌いだということもあるのではなかろうか。

 

(完)

 

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