すずらんこ
今朝も、はちみつトーストが食べられる喜びを噛みしめたい。
2年ほど前まで摂食障害に片足を突っ込んでいた私は、トーストを1枚食べることなど恐怖そのものだった。どうして、ごはんが美味しく楽しく食べられない思考になったのか分からない。栄養を渇望する体と、それを上手く受け入れられない頭に、私は長らく苦しんだ。家族の協力や助け、お医者さんからのお言葉、見守ってくれた友人、それから、自分自身の強い気持ちでどうにか克服した。
ほんのり甘くてやさしい、はちみつがあったから、朝ごはんが怖くなくなった。とろりと私の気持ちにそっと寄り添って、強張った心をほぐしてくれる。どうやら、はちみつは人の気持ちを満たしてくれるみたいだ。前はトゲトゲして苦しかったのに、こんなにも明るく楽しく、1日のスタートを切れるのは、幸せなことである。
パンの表面を、バターと共に滑らかに流れる光景には、思わずよだれが出てしまいそうだ。過去の私からしたら、到底考えられない。こんな柔らかな気持ちを思い出せたのも、はちみつのお陰である。
(完)
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