渡辺 碧水
何度も話題にした「第三のみつ」に、二〇一七年年末、またチャンス?が巡ってきた。
福島県安達東高校立案の「Bee(蜂)Ambitious!~養蜂を利用した『第三のみつ』の商品開発~」事業計画が、「『新しい東北』復興ビジネスコンテスト二〇一六」で優秀賞を獲得し、二〇一六年十一月十九日に表彰された。
その機会は、この高校生チャレンジが注目を集める真っ最中にやってきた。
大震災の復興支援に積極的に温かい救いの手を差し伸べた埼玉県NPO法人秩父百年の森や第三のみつ研究会などの「第三のみつ」関係者にとっては、復興支援で好感を与えた以上に、他県で「第三のみつ」が高評を得たことで、地元特産品での価値を高め得ることや地元養蜂家に普及させることへの手応えを確信した。
このことから、「第三のみつ」の周知と普及は、高校生や若者を前面に出し、際立たせることで進展の途は開けそうだと思い、「三度目の正直」の機会を狙っていた。
二〇一七年十二月二十二日、政府は、同年度補正予算で、内閣府地方創生推進事務局が計上した「生産性革命に資する地方創生拠点整備交付金」(地域の中堅 ・中小事業者の施設整備費の半額を、地方自治体を介して支援する交付金)の創設を決定した。
地方創生を目的にし、生産性革命に貢献する先導的なハード施設整備に絞って重点的に支援するもので、例示項目に、「地域の製造業が行う地域産品の高付加価値化につながる研究開発の拠点」があった。
すぐに応募を開始し、支援を希望する拠点施設整備事業を盛り込んだ計画を自治体に提出してもらい、翌年三月末までには交付先を国が認定する募集。仕掛けを要することがからんでいたのか、募集から決定まで、わずか三か月だった。
地方創生、生産性革命、地域産品の高付加価値化となれば、沈滞気味の「第三のみつ」のてこ入れができる。先導的なハード施設整備に重点的に支援なら、県立秩父農工科学高校の実績を利用すれば、同校の施設設備の拡充も交付金で可能だ……。
「渡りに船」と思った関係者は多かった?
【同タイトル(二)へ続く】
(完)
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