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蜂蜜エッセイ応募作品

真夜中のホットミルク

あか

 

 小さい時に作ってもらったものは、大人になってもふっとしたときに食べたくなったり、飲みたくなったりするものだ。
 かくいう、私のそれはホットミルクである。
 
 祖母が私の寝つきが悪い時に、たまーーーに作ってくれたのだ。
 といってもお鍋で牛乳を煮るような手間をかけたやり方ではない。
 
 コップに牛乳を注いで電子レンジでチン。
 牛乳のまくをはがしたら、そこで蜂蜜の出番というわけだ。
 銀色のスプーンに、この時ばかりはたっぷりと琥珀色の蜂蜜をのせ、牛乳の中にいれて混ぜるのだ。
 けちけちせずたっぷりと入れるのが、おいしさのコツというのを今でも覚えている。
 
 今年の大寒波、エアコンをつけてもまだ寒い。
 寒さでうまく眠れない私は、子供の頃眠れないときに作ってもらったホットミルクを思い出し作った。
 大人の私は欲張りにもコップ1杯は飲まないとねとたっぷり作った。
 
 『そんな飲んだら、夜にトイレいきたなるよ!』とはその日は言われなくて。
 おいしさは変わらないのに、そうやってもう言ってもらえない年になったのだなと、しみじみしてしまった。

 

(完)

 

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