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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

東北復興「ビー ・アンビシャス」(七)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(六)から続く】
 この「第三のみつ」を生産しているのは、全国でただ一か所「花園養蜂場」だけだとの報道もある。その先導的養蜂技術(?)に、高校生が復興福島の特産品づくりを賭けて、果敢に挑戦したというわけである。
 第二に、幸運なことに、同校の農場では既に養蜂を行っており、改良養蜂箱の確保、技術指導も約束されており、残りは蜜源(餌)の原材料を入手できれば、すぐに取り組める好条件にあったこと。
 地元の二本松市の東和地区は、ブランド品「羽山りんご」を栽培生産する産地であり、りんごに特化すれば、あとはりんご農家の協力を得るだけでよかった。
 規格外廃棄ものなどが新しい特産品に化けるとなれば、農家にとっても願ったり叶ったり、原材料提供の約束が得られ、要件はすぐに整った。
 第三に、蜜蜂の餌(蜜源)となる果汁は生のままの搾り汁ではなく、加熱処理し、蜜蜂が吸う糖度になるまで煮詰めて与えていること。
 蜜蜂が吸う濃度のジュースを造り、それを給餌器に入れて蜜蜂に吸わせる。臆せず高校生は堂 々と斬新な技術を採用した。
 この新養蜂技術は、実は斬新であると同時に伝統の養蜂においては禁じ手に該当する行為である。現在はまだ「蜂蜜と呼べない、蜜蜂が造った蜜」。だから「はちみつ」と言わず「第三のみつ」と呼ぶ。
 第四に、この「第三のみつ」は、商品名に『おにばばのなみだ』と名づけられ、地元安達が原の鬼婆伝説から考えられたとのこと。
 命名に秘めた想いが何かあるはずだ、と調べてみたが、この名に込められた意味合いの説明は見つけることができなかった。
 従来の養蜂技術による蜂蜜の商品名「あいさつ坂」には、由来について若干の説明がある。今回の商品についても、想いはあるはず、公表してほしい。
 いずれにせよ、国が主催のコンテストで優秀賞を受け、濃縮果汁を蜜蜂に餌として与え、蜂蜜に酷似した蜜に転化させる新養蜂技術が国からお墨付きを得たこと、また、その意気込みが高く評価され、一層の進展を託された点は大きい。
 【同タイトル(八)へ続く】

 

(完)

 

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