渡辺 碧水
【同タイトル(三)から続く】
また、JR東日本からのコメントは、「『第三のみつ』で二本松市の新しい特産品を作ろうとするプロジェクトは、地産品市場の拡大を通じて地域の魅力を発信する弊社の取組と親和性が高い。高校生の新しいチャレンジを応援したいと考え、賞の授与を決めました」とあった。
高評価を得た点は、「ミツバチに野菜やくだものの果汁を吸わせ、はちみつを高品質化する『第三のみつ』の商品開発」と「『第三のみつ』で二本松市の新しい特産品を造ろうとするプロジェクト」で、地域の特産品化の可能性が決め手になったと思われる。
受賞の栄誉が地元新聞などでニュースになったことで、同校は一躍有名になり、人びとの注目を浴びることとなった。
同時に「養蜂を利用した『第三のみつ』の商品開発」への関心も高まった。
受賞の反響と余韻は続いた。受賞後の約一年間の主要事項を追ってみる。
二〇一七年二月四日開催の「第十九回あだち地域農業振興大会」(あだち地域農業振興協議会主催)で、安達東高校の生徒は農業実践活動発表を「Bee(蜂)Ambitious!~養蜂を利用した『第三のみつ』の商品開発~」と題して行った。
同年三月八日発信の「ふくしまの未来をつくろうニュース」第九号は、受賞事業の経緯を詳しく述べ、次のように伝えている。
同校の「第三のみつ」は福島県農業総合センターの分析によると、糖の成分が一般的な他の蜂蜜よりも多く、アミノ酸は二倍以上だという。(「はちみつを高品質化する」との言葉を裏づける?)
指導担当教諭も「被災地における地域産業の復興や地域振興に資する事業を活性化させるため、生産体制を確立し、全国に発信していきたい」と張り切っている。
生徒たちの「今、高校生にできる復興は、元気な姿を発信すること」との言葉を添え、「彼らの新たなチャレンジはこれからも続きます」と結んでいる。
同年五月二十三日、農林水産省公表の『平成二十八年度食料 ・農業 ・農村白書』の中で、福島県の事例として詳しく紹介された。
【同タイトル(五)へ続く】
(完)
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