清松 由美子
高校山岳部の同期がシドニーに住んでいる。もうかれこれ30年近くになるだろう。彼女は帰国する度にお土産を持って来てくれた。それは大抵は蜂に関係したものだった。最初にもらったのは、小さな瓶に入ったプロポリスだった。彼女が言うには、「これは天然の抗生物質」らしい。だがその当時の私には、プロポリスは知らなかったし、何だか怪しい感じがして、冷蔵庫に入れっぱなしにし、結局使う事無く捨ててしまった。そして次は蜂蜜をもらった。もちろんこれはありがたく、ヨーグルトに入れたり、パンに付けて食べた。次にもらったのは、プロポリス入り歯みがき粉だった。最初に口に入れた時は、薬草の様な独特の香りがしたが直ぐに慣れ、日本の市販の歯みがき粉は使えないほど、愛用するようになった。日本の市販のやつは、化学物質の様に感じてしまったのだ。それからは、一年分のプロポリス入り歯みがき粉を買って来てもらった。蜂の恵みを感じた私は、今度は一年分のローヤルゼリーも頼んだ。カプセルに入った物だったが、いつしか体の中から元気が出る様な気がした。ところが2020年の年は帰って来ることが出来なかった。蜂蜜も歯みがき粉もローヤルゼリーも無くなってしまった。私はネットで買い物する事にした。ローヤルゼリーはニュージーランド製、蜂蜜は免役を上げるかもしれない期待から、ポイントを使って高価なマヌカハニーを買った。プロポリス入り歯みがき粉は毎日使うには高価で、結局日本の市販のものになった。今年彼女がシドニーから帰って来れるかは全く見通しが立たない。また例年通り、彼女がシドニーの蜂蜜製品を持って帰って来るのを、心待ちにしている。
(完)
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