はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

蜂蜜エッセイ応募作品

蜂の様 々

清松 由美子

 

 高校山岳部の同期がシドニーに住んでいる。もうかれこれ30年近くになるだろう。彼女は帰国する度にお土産を持って来てくれた。それは大抵は蜂に関係したものだった。最初にもらったのは、小さな瓶に入ったプロポリスだった。彼女が言うには、「これは天然の抗生物質」らしい。だがその当時の私には、プロポリスは知らなかったし、何だか怪しい感じがして、冷蔵庫に入れっぱなしにし、結局使う事無く捨ててしまった。そして次は蜂蜜をもらった。もちろんこれはありがたく、ヨーグルトに入れたり、パンに付けて食べた。次にもらったのは、プロポリス入り歯みがき粉だった。最初に口に入れた時は、薬草の様な独特の香りがしたが直ぐに慣れ、日本の市販の歯みがき粉は使えないほど、愛用するようになった。日本の市販のやつは、化学物質の様に感じてしまったのだ。それからは、一年分のプロポリス入り歯みがき粉を買って来てもらった。蜂の恵みを感じた私は、今度は一年分のローヤルゼリーも頼んだ。カプセルに入った物だったが、いつしか体の中から元気が出る様な気がした。ところが2020年の年は帰って来ることが出来なかった。蜂蜜も歯みがき粉もローヤルゼリーも無くなってしまった。私はネットで買い物する事にした。ローヤルゼリーはニュージーランド製、蜂蜜は免役を上げるかもしれない期待から、ポイントを使って高価なマヌカハニーを買った。プロポリス入り歯みがき粉は毎日使うには高価で、結局日本の市販のものになった。今年彼女がシドニーから帰って来れるかは全く見通しが立たない。また例年通り、彼女がシドニーの蜂蜜製品を持って帰って来るのを、心待ちにしている。

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.