渡辺 碧水
【同タイトル(八)から続く】
以上のように、うがった見方をすれば、「秘蜜のひみつ」には秘密にしておきたい要素が含んでいるようにも思われる。
これまでに見てきた活動は、大くくりでは「第三のみつ研究会」の活動でもある。
他に、同研究会はどんな活動をしてきただろうか。秩父地域森林林業活性化協議会の記録「森の活人」によると、同会の支援を受けた「秩父地域森林活用等創出支援事業」の活動では、「第三のみつ製造のための獣害ネット設置事業」(二〇一五~六年)、「秩父産材を使用した西洋ミツバチの養蜂巣箱、継箱の製造」(二〇一七年)を実施している。
NPO法人秩父百年の森が発行する「秩父百年の森通信」では、二〇一六年四月発行の第五号で初めて「第三のみつ」が登場した。これまでの経過を次のように述べている。
「平成二十二(二〇一〇)年度総務省過疎対策事業の一環として始まった新たな養蜂技術への取り組みは、第三のみつ研究会として進められています。森の木の結実を促すとともに安全なハチミツを得る『森林養蜂』として、また山間地の地域活性化の手がかりとして、など様 々な視点から養蜂技術を深めてきました。…」
同通信の二〇一七年七月発行の第七号には、「第三のみつプロジェクト」として、二〇一一年三月十一日発生の東日本大震災の「被災地の地域振興に向けて福島県立安達東高校(二本松市)への『第三のみつ』製法技術の支援活動を行っています。…」とある。
このように、時の経過とともに、「第三のみつ」はそれなりに評価されるようになり、「第三のみつ研究会」も存在感を高めるようになってきた。
埼玉県では、二〇一八年度から「高校生の『農力』育成強化プロジェクト」と「『第三のみつ』(機能性はちみつ)の生産性向上による地域経済活性化事業」が新しく始まり、二〇二〇年一二月下旬現在も、事業は進行中である。
それぞれの取り組みを別稿で紹介する予定だが、新型コロナ禍の下で、いよいよ「第三のみつ」の本質と「第三のみつ研究会」の真価が問われることになる。
(完)
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