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蜂蜜エッセイ応募作品

「はち」抜きの呼称「第三のみつ」(四)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(三)から続く】
 また、その時、同校が課題として挙げた新商品の開発が、その後の数年間にどう進展したかも把握できていない。
 次に採り上げたいのは、埼玉県秩父市のふるさと納税返礼品の中にある「秘蜜×林檎と秘蜜の匙セット/蜂蜜」という新奇な蜂蜜商品のことである。
 内容量は「秘蜜×林檎(百二十g)一個、秘蜜の匙一本」。原材料名は「第三のみつ」。アレルゲン表示は「りんご」。(渡辺注:アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質)
 商品説明は「秘蜜×林檎は、ミツバチに林檎ジュースを食べさせて作った新しいカテゴリーのはちみつです。秩父の森づくりを行うNPO法人秩父百年の森と秩父農工高等学校の共同研究から生まれました。秘蜜でしか味わえない花蜜と林檎ジュースのマリア―ジュを、ツグミ工芸舎が秩父産材で作った手彫りの専用匙でお楽しみください」。
 (同前:マリア―ジュとは、フランス語で一般的に「結婚」を意味し、詩的表現で「もともと二つで別 々だった存在が、あたかも一つの存在のように調和した状態になること」をいうらしい。蜜蜂が花蜜と林檎ジュースを調和した蜂蜜を造った?)
 製造者 ・販売者は「第三のみつ研究会/代表:坂本裕三」。
 この内容や背景を少し探ってみよう。まず、謎めいた用語から。
 「秘蜜」の言葉は、一瞬「秘密」の間違いかと思ったが、そうではなかった。そう思わせるために奇策を練った造語だった。
 私にはそう思えるのだが、若者の間では既に馴染みの言葉だったかもしれない。二〇一〇年四月にオリジナルが投稿された楽曲で、二〇一二年九月に小説化もされた作品に『秘蜜―黒の誓い―』があるからだ。
 これが流行っていたとすれば、蜂蜜の「秘蜜」のほうが、むしろその人気にあやかって付けられた呼称なのかもしれない。
 「秘蜜」は、二〇一五年十一月十三日、秩父市のホテルで「第三のみつ」の新ブランド名として発表され、同十七日からオンラインショップで販売開始された。
 【同タイトル(五)へ続く】

 

(完)

 

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