渡辺 碧水
【同タイトル(一)から続く】
そして、「ハチミツと呼べない、ハチが作ったミツ『第三のみつ』(特許第五六四一七八〇号、特許第五九八二一四〇号)」とあり、この開発の背景として「秩父農工科学高校と秩父百年の森の取り組みと埼玉大学との共同研究」などが挙げられている。
なぜ「第三のみつ」なのかの解説もあり、次のように述べられている。
「はちみつは国際規格で二つに分類されている。
一.『花はちみつ』または『花蜜はちみつ』、植物の花蜜に由来する蜂蜜で、
二.他の一つは『甘露はちみつ』、植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫の排泄物に由来するはちみつ。
◆上記二つの国際規格に当てはまらない新規はちみつを『第三のみつ』と呼ぶことにしました」
別記に、カエデ樹液から作られたみつについての特徴も示されている。
これらの資料は、「第三のみつ」「第三のみつ研究会」が、以前の「第三のはちみつ」「第三のはちみつ研究会」の呼称から「はち」を抜いたにすぎないことを裏づける。
次は、具体的な事例で確認してみる。
秩父百年の森の説明文の中では、「第三のみつ」の初試験販売は二〇一三年九月十四日、リンゴ果汁を与えて作った「第三のみつアップル ・ハニー」だったとされる。
前日の十三日、ニッポン放送ラジオ番組「上柳昌彦ごごばん!」は、秩父百年の森が開発した秩父の新しい特産品「第三のミツ」(アピミツ ・アップル)がフェスタで発売されると報じていた。
「アピミツ ・アップル」とは、「第三のみつ」の最初の商品名である。英語の「養蜂(業)」を意味する「アピカルチャー」の頭部「アピ」と蜜の片仮名「ミツ」とを合成した造語に、蜜源が林檎であることを示す「アップル」を加えて構成したものと理解される。
ここで、「アピミツ ・アップル」について、ある資料を補足に加えておく。
この他に説明が見当たらないし、最初の「第三のみつ」商品として登場したのは、前記の九月十四日以前だったことを物語るものと思われるからである。
【同タイトル(三)へ続く】
(完)
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