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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

生きる力

ハル

 

 私は、蜂蜜に命を救われました。
 
 父子家庭で育ち、父から虐待を受け、学校ではいじめられ、成績はいつも最低。
 毎日がつらくて、いつの間にかカッターナイフで自分を傷つけるようになりました。生きている実感を、痛みと赤い血に求めたのだと思います。
 高校へはほとんど行かず、夜の世界をさまよい、さらに傷ついていきました。
 「もう死のう…」
 私は手首を切り、そしてカーテンレールにひもをかけ、首を吊りました。窓ガラスに映った私を見た人が通報し、一命をとりとめたようです。
 自殺未遂で入院した私に、病棟勤務の看護師さんは優しく接してくれました。
 「痛かったでしょ。もう大丈夫ですよ」
 無視する私に、「今日のお昼はパンケーキ。蜂蜜たっぷりで美味しいから、ちゃんと食べてね」
 そのパンケーキをひと口食べたとき、私は衝撃を受けました。
 言葉にできないほどの美味しさに、思わずナースコールを押してしまいました。
 看護師さんが駆けつけてきて、「どうしましたか?」
 私は何も言えず、声を出して泣きました。ふと顔を上げると、看護師さんも泣いています。
 泣くだけ泣いて、パンケーキを完食すると、悩んでいることが急にバカバカしくなってきました。こんな気持ちになったのは初めてです。蜂蜜の甘さが、私に生きる希望と勇気を与えてくれました。
 
 私は一念発起して、高卒認定試験を受け、そして奨学金で看護学校に進学し、いまは看護師2年目です。
 蜂蜜に救われたこの命、患者さんの心の傷も癒せる看護師を目指していきます。 
 
 蜂蜜は、いつも我が家のど真ん中にあります。

 

(完)

 

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