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蜂蜜エッセイ応募作品

束の間の呼称「第三のはちみつ」(三)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(二)から続く】
 これを三種類に分け、加熱し濃縮して糖度約三十%のメールシロップを造った。これらを別 々の蜂群に四~五日間与え、蜂蜜を得た。比較には、市販のカナダ産メールシロップを用いて、同様に蜜蜂に与え、蜂蜜を得た。
 分析結果の詳細は省略するが、いずれの群からも、通常の蜂蜜と変わらない糖組成の糖度八十%前後の蜂蜜を得た。
 結果として、花蜜の代わりにメープルシロップを蜜蜂に与えても、同様なプロセスを経て蜂蜜が造られ、また、メープルシロップの持つ独特の風味を備えた蜂蜜の生産が可能であることがわかった。
 以上から、特定の蜜源を選択し蜜蜂に餌として与え、その蜜源特有の組成を反映した蜂蜜を生産できる可能性があるとした。
 これらの成果は、二〇〇九年七月十四日開催の「首都圏北部四大学発新技術説明会」でも「新規蜂蜜の開発」と題して発表され、早速「花の蜜なしでハチミツ/埼玉大などが共同開発」などと、新聞やウェブニュースなどで紹介された。
 発表者は菅原教授。資料には共同研究者として田島氏と島崎氏の二名も示された。
 菅原教授は、この発表の中で「はちみつの国際規格」に触れ、次のように言及した。
 一つは、花はちみつまたは花蜜はちみつ、植物の花蜜に由来するはちみつである。他の一つは甘露はちみつ、植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫の排泄物に由来するはちみつである。本発明の樹液や果実絞り液からのはちみつは、上記国際規格に当てはまらない「第三のはちみつ」(赤字で強調)と分類することもできる。
 私見だが、用語「第三のはちみつ」の使用は、時系列的検討の結果、公的にはこの時が最初だと判断される。
 ビジネス開発の観点から、新方式の技術を強調した発表だった。「想定される業界」として、利用者 ・対象は「国内の養蜂業者、食品産業、健康食品等。地域ブランド商品(赤字で強調)」、市場規模は「平成二十年度のはちみつ消費量は、輸入量約四万t、国内生産量約三千t」と、可能性の大きさを示した。
 【同タイトル(四)へ続く】

 

(完)

 

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