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蜂蜜エッセイ応募作品

束の間の呼称「第三のはちみつ」(一)

渡辺 碧水

 

 流星の如く現れ消えた「第三のはちみつ」という呼称の蜜蜂生産品がある。
 日本の養蜂史上、束の間の出来事だが、書き残しておきたい史実である。現在も「第三のみつ(蜜)」と名を変え存在しているからである。
 最近、新語「機能性はちみつ」も「第三のみつ」の別称として登場している。
 ただ、約十年が経過し、インターネットで検索しても具体的な資料や情報はほとんど残っていない。単に時間の経過でそうなったばかりではなく、情報や資料を関係者が削除や非公開化し、消した形跡もうかがわれる。後継の現在も当時の関係者も、封印事項なのか、照会に対して無視や非公表の対応をしている。
 したがって、このドキュメンタリー随筆も、残痕を探し、時系列に並べ、推理でつないだもの。残念ながら確実性に自信はない。
 だが、流通する蜂蜜の国産品が次第に減って、約九十五%は輸入品に依存し、それもしばしば粗悪とささやかれるほどの品質状況の中で、この事態を憂慮し、国産蜂蜜を増やそうとした創意と努力と熱意とが結実した技術開発だった、と私は評価している。
 本題に入って、私が関心を寄せたのは、調べごとをしていて、ふと「第三のみつ」という名称の蜂蜜があると知ったからだった。
 蜜蜂が造るのなら、「第三の蜂蜜」と名づけてもよさそうなのだが、「蜂蜜」と呼ばないで「みつ(蜜)」と呼ぶのはなぜか。「第三」とは三番目ということか。では、第一、第二は何か。第四もあるのか。……。興味は募るばかりであった。
 「第三の…」と言えば、例えば、アルコール好きなら「第三のビール」、映画ファンなら「第三の魅力」や「第三の男」、推理小説愛読者なら「第三の人物」などと思い浮かべるのではなかろうか。
 「第三」の語感には、順序数の「三」に加えて、そのもの以外や脇役の、ちょっと謎めいた、秘密を持った、影のある、曖昧さを含んだ、等 々を醸し出す雰囲気がある。
 「第三のみつ」を手始めに、「第三のみつ研究会」を調べることから始めた。
 【同タイトル(二)へ続く】

 

(完)

 

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