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蜂蜜エッセイ応募作品

神のプレゼント

古城 正(こじょう ただし)

 

 94歳で亡くなった母は、旅行好きで国内や海外へ出かけるのを生活の一部としていた。私と香港、マカオのパッケージツアーへ参加した時の母は、70歳に手が届く年齢で会った。パッケージツアーに参加した人たちは高齢者が目立った。バスの乗車では、母よりかなり若い女性と隣同士の席になった。挨拶から始まり、お菓子などを、交換したりして和気あいあいとなった。隣の女性の肌が、あまりにも若 々しかっためか、母は
 「失礼ですが、お幾つになるのでしょうか?」
 「あまり大きな声で言えませんが、80歳を迎えます」
 女性から若 々しい声が聞こえた。
 「えー本当ですか!私は2,3年で70歳を迎えますが、お宅様50代の若さですね。何か秘訣があるのでしょうか?」
 「秘訣なんて大袈裟なものでは、ありませんが、ローヤルゼリーを毎日飲んでいます」
 「ローヤルゼリーを飲み始めたのは、お幾つだったのでしょうか?」 
 「60歳ぐらいから飲み始めていますから、20年ほどになりますね」 
 はつらつとした表情の返答であった。母と隣席の方との会話を、しばらく聞いていたが、思わず80歳を迎えている方の表情は、まだまだ若 々しい女性であった。
 帰国後、さっそく母は、ローヤルゼリーを注文したようだ。ローヤルゼリーを飲み続けて20年になる母は病気にも悩まされず、健康な日 々を過ごし、しかも肌は若 々しくなり海外旅行や国内旅行に出かける日 々であった。母の口癖は
 「ローヤルゼリーは神のプレゼントだよ」
 母は、亡くなるまで、薬にお世話にならずローヤルゼリー一筋の人生であった。

 

(完)

 

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