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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の蜜源を変える(三)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の蜜源を変える(二)から続く】
 ここで、カエデ糖に関する長期保存性と甘味増強の問題を同時に解決し、そのままでは食用に適さない樹液の有効利用を図るための新手段の開発が望まれた。
 これらを背景に、カエデ糖の樹液や天然の糖含有液についての問題と、養蜂業における問題とを同時に解決する手段を提供する目的で、新開発が精力的に進められた。
 本技術の発明者らは、種 々検討を重ねた結果、詳細は省略するが、各種カエデ樹液を蜜源とする蜂蜜を蜜蜂に確実に造らせることに成功した。
 カエデの樹木から採集した糖度一~二%の樹液を十~四十%になるよう糖度調整(減圧下で加熱濃縮)し、さらに、液温を二十五~四十℃に加温した上で餌として与えると、蜜蜂は糖度六十~八十五%の蜂蜜を造ることを確認した。
 かつ、得られた蜂蜜は、長期保存性に優れ、甘味料として優れた果糖とブドウ糖の含有量が多く、そのまま甘味料として提供できる品質である。
 蜂蜜の生産には、女王蜂、雄蜂及び雌蜂が生息する蜂の生息室、給餌器と蜂蜜回収するため空巣碑を備えた新養蜂箱が考案された。
 給餌器に液温を調節した調整液を供給して蜂蜜を生産させて空巣碑に蓄えさせ、空巣碑に蓄えられた蜂蜜を回収する製造方法である。
 本発明の方法によれば、蜜蜂は寒空に飛び出す必要がないので、花蜜が乏しい季節(晩秋から早春)にも蜂蜜造りが可能で、蜂蜜製造業の稼働率向上にも寄与する。
 この方法は、果実の絞り液(柑橘類、リンゴなど、種 々の果実を皮ごとまたは果肉だけ絞ることで得られる液)などについても、広く適用できることを確認した。
 従来の蜂蜜にはない味覚や栄養素を含み、「第三の蜂蜜」とみることができる。
 この革新的蜂蜜の実践例については、稿を改め、別テーマで紹介したい。
(技術:はちみつ及びその製造方法。出願人:国立大学法人埼玉大学、特定非営利活動法人秩父百年の森。発明者:菅原康剛、田島克己、島崎武重郎。公開日:二〇一一年一月十三日。公開番号:二〇一一-〇〇四七三六号)
 【蜂蜜の蜜源を変える(四)へ続く】

 

(完)

 

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