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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の蜜源を変える(一)

渡辺 碧水

 

 今回は、蜂蜜の「蜜源となる植物を変える」という意外な話題を採り上げたい。
 具体的な話に入る前に、理解を深めるための前提を確認しておく。
 蜂蜜は元来、蜜蜂たちが生存し続けるための食ベ物として、自ら蜜源植物等を探し、花蜜等を採集し、体内の機能や分泌物を使って自身が造るものである。
 蜜蜂は、環境対応で進化するために、蜂蜜にできる蜜源さえあれば、多様な蜂蜜を既に造ってきたし、また、新たに造り出していくと考えられる。
 人間は、その蜂蜜を横取りする形で食料の一つにしてきた。そして、蜜蜂を家畜として飼うなどして、人間が好む良質の蜂蜜を効率よく造らせる養蜂技術も生み出した。
 今のところ、蜂蜜は、国際規格で次の二種類と定義されている。
 その一つは、「花(花蜜)蜂蜜」と呼ばれ、植物の花蜜に由来する蜂蜜である。
 もう一つは「甘露蜂蜜」と呼ばれ、主として樹液や樹液を吸った昆虫の分泌物に由来する蜂蜜である。
 言い換えれば、この二つ以外を蜜源とするものは、同じ過程を経て蜜蜂が造り出したものであっても、「蜂蜜」とは呼ばない(蜂蜜とは認めない)ということである。
 良質な食べ物として、安心安全のために、本来の蜂蜜の品質と性状を維持しようとする基準であるが、蜂蜜を生産 ・製造 ・販売する側にとっては本物の根拠にもできる。
 個人的想像だが、遠い先祖は、最初、「花蜜」だけを蜂蜜だとしていたのではなかろうか。美しい花の蜜であり、清潔感があり、高貴性や神秘性を凝縮しているから。
 そして、後年、樹液や樹液を吸った昆虫の分泌物(排泄物)を集めて有益な蜜を造ることもまた事実として明らかになり、あえて蜂蜜の一種に追認したのではなかろうか。付けた「甘露」の名称に苦渋のほどが忍ばれる。
 いずれにしても、端的に言えば、糖分が豊富な甘い液体だから蜜蜂は集めた?のである。その証拠に、十年ほど前、欧米で複数造られた謎の蜂蜜巣房は、いずれも蜜蜂が糖分の多い工場の廃液を集めたものだった。
 【蜂蜜の蜜源を変える(二)へ続く】

 

(完)

 

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