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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の性状を変える(七)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の性状を変える(六)から続く】
 五、蜂蜜の液状をジャム状に変える技術
 蜂蜜の粘性と流動性を取り去る従来の技術には、蜂蜜にコンニャクマンナンを加え、カラギーナンなどの天然粘質物を一種以上加えてペーストを製造するもの、蜂蜜に寒天を含む二種以上の天然粘質物を加え固形状に仕上げるもの、原材料の糖質の一部を蜂蜜に置き換えたものなどがある。
 しかし、いずれも単に蜂蜜入りにし、蜂蜜の粘性を取り除いた性状にしたもの。
 これら技術で配合を変え試作をしてみると、ペースト性はあるものの、使用時、粘性不足から流れ落ちたり、硬めにしたため伸びがなくなったりなどの欠点が生じた。
 そこで、本技術では、蜂蜜そのものをジャムにしようとした。課題は、蜂蜜の甘さと風味をそのままに粘性と流動性を除き、ゼリーのような固さと、クリームのような切れのよい粘性と、伸びのよいペースト性とを有し、蜂蜜の濃度を保つ製品にすることである。
 ゲル化の要件は、ハイメトキシルのペクチン性状として、糖 ・ペクチン ・酸である。本来、ジャムとして認められる物性はやはりペクチンで得られるもので、その機能を生かし、伸びがあり切れがよい粘性を持つ製品を目指し研究を重ねた。
 その結果、柑橘類の果汁を少量加えることによって、本来の甘味を損なうことなく、酸味も感じない、本来の機能と性状を保つ蜂蜜製品を開発することができた。
 本技術は、果汁で酸の必要量を確保するという単純な操作ではあるが、柑橘類の種類を変え、添加量を変えることによって、多様な好みの製品を生み出せる。
 発明した製品は、蜂蜜(糖質)、ペクチン、果汁(酸)の分量を変えることでも、硬さと伸びの異なるものにすることができる。
 粘性に起因する不便さを取り去り、蜂蜜本来の味覚と満足感を与えながら、作業しやすく清潔に扱えることから、家庭でも職場でも容易に使えるようになった。
(技術:蜂蜜ジャムの製造法。出願人:サン ・フカヤ有限会社。発明者:佐 々木俊雄。公開日:二〇〇九年十二月三日。公開番号:二〇〇九-二七八九五一号)
 【蜂蜜の性状を変える(八)へ続く】

 

(完)

 

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