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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の性状を変える(五)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の性状を変える(四)から続く】
 四、蜂蜜の液状をシート状に変える技術
(技術:蜂蜜のシート状食品及びその製造方法。出願人:有限会社サンビーフーズ、小池健。発明者:新居田総一郎。公開日:二〇〇七年九月二十七日。公開番号:二〇〇七-二四四三六一号)
 ここでは、これまでの三例とは真逆に、紹介資料の基礎的根拠を最初に挙げた。
 発明技術の公開公報では、その開発に至るまでの背景技術や解決しようとする課題が示されるのであるが、本例には他例には見られない詳細な経過が載せられている。
 これは大変貴重な研究や文献のレビューに相当するので、最初にこれを省略しないで紹介することを意図したからである。
<従来の技術開発の経過>
 昔から蜂蜜は滋養に富む食品として利用されてきた。しかし、粘り気のある液状のため切れが悪く、容器を汚すなど使い勝手上の欠点から、実情は広範に利用されていない。
 また、味覚の点でも、蜂蜜の甘みや香りが後味として残り、爽やかさに欠けるので、近年の嗜好とは必ずしも合致しない。
 さらに、寒天などでペースト状にした蜂蜜食品は、液状蜂蜜を単に固めただけであり、スプーンなどで塗り広げる必要がある。不便性を解消するには至っていない。
 そこで、液状の蜂蜜に適度の粘性を与えてペースト状またはジャム状にし、パン等に付けて食べるとき、流れないで食べやすくする技術が考えられてきた。
 微細な結晶を加えて蜂蜜全体を擬結晶化させる方法等が、その代表例である。だが、得られたペースト状蜂蜜は白色化し通常の蜂蜜のイメージとは異なり、擬結晶は本来の結晶に移行しやすく、すぐ硬くなって再度加熱し液状化しないと使用できない欠点がある。製造方法でも、加熱、冷却、結晶母使用など複雑で、時間もかかる。
 ほかに、低カロリージャムとして、コンニャクマンナンと寒天と果実等の原料に、甘味料、酸味料、ペクチン等を配合し、加熱してゲル化させる技術もある。これは、ジャムの低カロリー化が目的であり、レオロジー特性を抜本的に変えることを意図としたものではない。それらの添加で物性が変化したとしても、コンニャクマンナン等は単に保形性付与に関係しているに過ぎない。
 【蜂蜜の性状を変える(六)へ続く】

 

(完)

 

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